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傘寿も過ぎ気力・体力不足に悩む日々。旅もスキーも年貢の納め時かも。まだ少し残っている知力・気力・体力を使い何をしょうか?

山行記録2009年 ブログトップ
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鈴ケ岳 忘年山行 2009-12-19 (晴れ) [山行記録2009年]


 いつもの会の月例山行だ。忘年山行でもある。あたしにとっても本年最後の山行だ。昨年同様、赤城山域だ。昨年は鍋割山、今年は鈴ケ岳を計画する。午前中は山登りをして午後は温泉と忘年会、となると近郊で短時間で登れ、しかも少し雪が楽しめ、帰路に温泉と宴会が楽しめるこの赤城山域が最適かもしれない。

 今日は参加者が19名と師走の影響か、いつもより少し少ない。我々を乗せたチャーターバスは順調に関越道から赤城道路へ。前橋市内でも屋根が白かった。昨夜、降雪があったようだ。道路は除雪されているが凍結している。途中、チェーンを着けて鍬柄岳登山口駐車場に到着。

P1040347.jpg 辺り一面雪景色。道路に掲示されている温度はマイナス10度。この辺りの標高が約1400メーター。特に温度が低いと言う訳ではない。ただ我々の平均ウエアーは晩秋仕様だし風もあり小雪も舞っているので躊躇無く登山中止となる。昨年はお天気が良く風も穏やかで雪も上部に少しあっただけ。


 今日の状況とは全く違う。条件付き登山だからこれはこれで良い。風がなければ鋤柄岳までとも思ったが、この状況ではそれも危険だ。また、来年来ればよい、てなことで観光に切り替える。

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P1040356.jpg 大沼に向けてバスは登っていく。観光道路だがさすがに今日は車が少ない。雪景色を楽しむうちに湖畔の赤城神社に到着する。大沼の対岸には地蔵岳も大きく見え我々を楽しませてくれる。神社境内の雪景色を散策し少し早いが富士見温泉へ。
露天風呂にゆったりと浸かり宴会をして早めに帰路についた。


 なにわともあれ1年間怪我もなく山登り出来たことには感謝、感謝です。また、懐かしの穂高にも登れて幸いです。
ただ、反省としてはヒャッとした場面が数回あったように思える。内容はルートミスを認識しているのに戻らなかったことと緊張感が緩んだためにバランスを崩したことだ。そうだ、谷川岳での雪庇の踏み抜きもある。
それでも怪我らしい怪我は年初にスキー場でボーダーに後ろからぶっっけられた肩の打撲ぐらいか・・・。今でも少し痛む。

 思い出すたびに運が良かったと神に感謝する。いづれも独りの時で慎重さが欠けたことが要因だろう。独りの場合は複数で行動しているより遙かに緊張感を保持しているが、疲れが溜まると一瞬気が緩む場合がある。このあたりが来年の課題となりそうだ。

 来年の計画はあくまでも体調次第となるため具体的には考えていない。高齢者に近づいてきたし体力も落ちてきた。仕事も少し忙しくなりそうだし、海外旅行にも出かけたい。となると、低山のハイキングとゲレンデスキーを軸としてあとは体調と時間次第となる。

 来年はどの山に登りたいではなく、どんなスタイルで登るかを課題にしたい。密かに考えているのはテント泊だ。この歳で何も重い荷物を担いで登ることは無いが、日帰りのせかせかした山登りや、あの混雑した山小屋を思えば挑戦したくもなる。

 大昔はツェルト泊でも平気だったが今のあたしは軟弱登山だから無理。しかし、超軽量のテントなどを揃えれば可能かもしれない。
テント泊で南アルブスの縦走なぁーんて、師走の妄想・・・・・。

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表妙義山塊 星穴岳 2009-12-17 (木) 晴れ [山行記録2009年]


P1040299.jpg koku さんから星穴岳山行へのお誘いがあった。12月だし、なんだかんだと忙しかったのだが星穴岳と聞けば考える余地は無い。先月、やはり koku さんと表妙義を縦走した時、西岳から見た怪奇な姿が脳裡に焼き付けられていた。独りでと考えてはいたがちょっと危険な匂いがするし、まして星穴の探訪ともなると懸垂地点が解らない。

 今年はもう無理だろうと思っていたのでこのお誘いは嬉しかった。
メンバーは koku さんと同行の女性とあたしを含め3名だ。

 予定では国民宿舎から廃道となっている星穴新道を辿り山頂直下から懸垂で星穴を探訪。その後、星穴沢を下降し国民宿舎に戻る。距離は短いがハードでデンジャラスなルートだ。

 しかし当日、koku さんの車にトラブルがあり出発が大幅に遅れてしまった。予定ルートを変更し中之岳神社から西岳経由で星穴岳へ。また、下降は星穴沢を下降するか、中之岳神社方面に下降するかは状況により判断ということになった。

 どちらに下山しても対応できるよう、車は国民宿舎駐車場と中之岳神社駐車場に各1台デポした。あたしとしては、元々独りで決行する時はこの西岳経由のルートと思っていたし、今日は偵察だけでも充分という思いもあったので何の異存もなかった。中之岳神社出発―9:30。

 神社の長い階段で汗をかいたが今日は気温が低い。ツララも時々見受けられるし地面も一部凍っている。日陰では落ち葉の上にウッスラと雪が残っているところもあり登攀となると気が抜けない雰囲気だ。ただ、申し分のないお天気はありがたい。小一時間で中之岳と西岳のコルに着いた。登山禁止の掲示がぶら下がったトラロープを潜り明瞭な踏み跡を西に辿り、西岳直下の岩場に到着。先月はトラロープが張ってあったが今日は何もないスッキリとした壁になっていて気持ちが良い。快適なクライミングを楽しみ西岳山頂到着―10:50。

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P1040305.jpg 山頂といっても何もない。独立した岩峰だし周りに高いところがないので山頂なのだ。しかし、展開する光景はまさに圧巻、絶景だ。星穴岳が眼下に迫りなんとも恐ろしげな怪奇な姿だ。二つの風穴は陰になってここからは見えない。ルートは壁の基部を斜め左上に登る意外になさそうだ。
そこへ辿り着くまでにも大きく切れ落ちている。

 風も冷たいので早々に西岳を下降する。
踏み跡も解り難く両側も切り立っている。
振り返ると西岳が木の間に迫力のある岩肌を魅せている。やがて岩峰に阻まれるが右の急斜面を下降するようだ。下まで約30メーターほどありそうだ。トラロープがところどころに見えるが傾斜も相当ありそうだ。立木にぶら下がりトラロープを利用すればなんとか下れそうだが安全を期して懸垂下降とする。ロープを出すためザックを降ろした時不注意にもデジカメを落っことしてしまった。一度途中でバウンドしたようだが遙か下で視界から消え去った。その時は、カメラは惜しくはないがこれからの星穴が撮れないのが残念とか、自分の身代わりにカメラが落っこちたとか考えていたが、正直なところ時間が経つとだんだんカメラが惜しい気持ちが起こってきた。

 懸垂下降の準備が完了してザックを担いだ時、なんとなんと次はザックのポケットから水の入ったペットボトルが落下・・・。一瞬にして視界から消えた。後で考えるとこのペットボトルの落下が幸いしたのだから不思議なものだ。

 先頭で降りた koku さんがペットボトルが下のほうに見えるので拾ってくると言って沢を少し降りたところ、ペットボトルの側でカメラも見つけてくれた。どうも上から落ちると同じ場所に集まるようだ。ペットボトルが見えなければカメラは見つからなかったと思える。

 以前、八ヶ岳美濃戸の駐車場を管理しているおじさんが言っていた。「あそこから落ちると遺体は滑落して大抵はあのあたりにあるはずだ。」これはヘリのレスキュー隊員の言葉だと言っていた。まるで落下の法則だネ。

 なにはともあれ KOKU さんに感謝・感謝。降りた所が西岳と星穴岳のコルのようだ。ここから岩峰の基部を左に回り込み西に続く細いリッジに出る。トラバースや急下降もあったがやがて小さな洞窟があるハングした岩峰の基部に出た。星穴岳の岩峰直下のようだ。ここでエネルギー補給のため小休止。恐る恐るカメラをテストしてみたが大丈夫のようだ。数十メーター落下したが下は膝まである落ち葉だったことが幸いしたようだ。これが人間だったら・・・おお怖わぁ~。

 休憩後西に向けて細い岩稜を辿るがそのまま行くと行き詰まった。 koku さんが右、あたしが左と偵察にでる。左上にトラバースするのが正解だった。フィックスが少しあるが星穴岳の南面にあたり足元がスッパリと切れ落ちている。スタンスが広いので難しくはないが距離があるので慎重にトラバースする。トラバース終了地点から右上に登るとナイフリッジになり眼前に10メーターほどの岩峰が現れた。どうもここが星穴岳のピークのようだ。

 岩峰手前の木の根っこに懸垂下降用の支点があった。 koku さんによるとここが射抜き穴への下降地点だそうだ。北面から懸垂下降したが 5~6メーターの空中懸垂を含め 25メーターほどの下降だった。

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↑ 無様なあたしの空中懸垂下降です。だってザックを背負って肩にはザイルを担いでいるので結構身重なんです。なにはともあれ無事着地です。

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 射抜き穴から見た幻想的な光景です。穴が山腹を貫通している不思議な場所です。風の通りが良いので寒い。ここは星穴岳南壁の途中のテラスという感じだ。それにしてもここから見える光景は不思議なとっても神秘的な絵のようです。遠くに荒船山の艫岩が見える。クレヨンしんちゃんの作家臼井さんが偲ばれる。
合掌。

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 左を見れば星穴新道から続く岩稜が圧巻だ。妙義の岩は泥混じりというか柔らかい。岩壁の実態は上の画像のように泥壁のようだ。触れば剥げ落ちる場合もあり登るには非常に危険だが、低山のため立木やブッシュが多く懸垂用の支点やホールドに利用出来る。当然、充分な確認が必要だがネ。浸食によるこの奇岩、奇景は遠くから見ると絶景となり楽しませてくれる。

 テラスの東端の立木に支点をとり懸垂の準備をする。次はむすび穴探訪だ。ここから40メーター以上の懸垂となる。ロープを繋ぐとなんとか下まで届きそうだ。ロープ連結部の通過をとるかシングルロープで降りるか迷うところだが時間短縮のため 9ミリシングルで降りることにした。一応こんな場合を想定してATCガイドと8環を持ってきたのだが・・・。

 しかし、シングルロープでの懸垂はあまり気分の良いものではない。荷物を背負っているのでビヨョォーンとまるでヨーヨーだ。ATCガイドで下降したがキンクがひどい。トップで下降したため途中で絡まっているロープを解すのに苦労した。しかもバックアップもとらずに降りてしまった。下までロープが届いていなければ・・・ヤバイなぁーと一瞬頭に浮かんだが結果的には1メーターほど届いてなかっただけで無事着地。状況が解らない時は必ずバックアップを採るという原則を忘れたのか無視したのか・・・大いに自己反省。

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 さあー、ロープの回収だと、結び目のあるほうのロープを思い切り引っ張ったが 5メータほど動いただけであとはビクとも動かない。ビナが引っ掛かっているようだ。頭上 5メーターで垂れ下がっているロープを引き戻そうと koku さんが登り返したが垂壁に近いうえこの泥壁では危険すぎる。諦めて下から何度も振り回していたところ引っ掛かりが外れてようやく回収できた。三人でホーと胸をなで下ろす。まだ下降が続くのでここで回収不可になれば一大事だった。

 持ち時間不足のため、この時点で北面の星穴沢下降を諦め中之岳神社への下降に決定。ザックをデポし左の傾斜が強いルンゼを登るが落ち葉が堆積していて滑るので苦労した。

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P1040342.jpg  ルンゼを登り切ったところの右側に唖然とするほどのデッカイむすび穴があった―13:50。

 反対側に表妙義の険しい山稜が見えて幻想的な光景だ。先程の居抜き穴の何倍かはある。何年もかかって出来たものだろうが不思議なことこのうえない。一服後、先程のデポ地点まで戻り下山を開始する。出来るだけ中之岳神社の近くに下山したいので左、左と進路を取る。涸沢を下ったり、尾根を横切ったり、これぞオフロード。傾斜の強いところでは安全上、ロープを使ったが概ね快適に下降する。



 作業道のような踏み跡も時々見かけるが落ち葉がスゴくて辿れない。深いところでは腰まで潜る。まるで落ち葉のラッセルだ。

 最後に7メーター程の涸滝があり落ち葉が堆積し濡れている。懸垂ではなく単にブラ下がって降りたためツルリと滑り慌ててロープにしがみついた。やはり横着なことはしないでキチンと懸垂で下降すべきと自己反省。降りたところのスグ側が車道だった。あっけなく終了。中之岳神社まで約20分、大きな達成感、満足感を感じながら歩いた。もっともっと左にルート取りしなければ神社近くに降りられないが、途中の目標がないので難しそうだ。再度、トライしても上手くいくかどうか解らないだろう。神社駐車場着―15:30。

 なかなか面白い一日でした。ご同行していただいたお二人に感謝、感謝です。それにしてもこの山域は魅力的です。中之岳、西岳のコルから星穴岳までは不明瞭だが踏み跡もありロープや登攀用具さえ携行すればそれほどの危険はないと思われる。ただ、単独での入山は避けたい。もしも滑落した場合にも地形が複雑で遺体の発見が遅れることになる。また、入山禁止地域だけに自己責任だけでは済まされない。どうやらあたしもこの山塊に嵌ってしまったようだ。来年は星穴新道を辿り、星穴沢を下降してみたい。また、機会があれば相馬岳北稜、風穴尾根等も探訪したいものだ。

 この山域は長い間忘れていた冒険心という憧れを思い出させてくれる。普段の生活では全く必要のないものだがやけに胸を騒がせてくれる。老いを感じ始めているあたしにとっては最上の楽しみかもしれない。いつまで続けられるか解らないが大切に持ち続けたい楽しみだ。

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日光白根山 2009-12-13 (日) 曇り時々晴れ [山行記録2009年]


P1040160.jpg 昨年もこの時期に登っている。どうもこの山はあたしにとって相性が良いらしい。何度か登っているので天候が悪くても不安を感じない。独りで雪山を楽しむにはもってこいの山なのだ。

 koku さんも奥日光湯元側から入っているので何処かで会えるかもしれない。楽しみだね。

 菅沼の駐車場に7時前に着いたがタイヤが潜ってしまい脱出に時間が掛かり出発が遅れた。―7:30。

 昨夜、降雪があったようだが湿雪のため重い。木の上から時々、ドサーっと雪が落ちる音が聞こえる。曇ってはいるが風もなく暖かな日和だ。途中暑くて堪らないのでアウター上下を脱ぐ。トレースは明瞭だし雪山ハイクだ。3パーティほどに追い越されたが入山者は意外に少なそうだ。足下が滑ると疲れるので早めにアイゼンを着けたが歩くスピードが落ちた。着けなきゃ良かったと後悔しながら歩く。

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↑ 弥陀ケ池着―9:30。ここまでは夏道の一般コースタイムに近い。雪が段差を覆っているので歩き易かった。弥陀ケ池も全面結氷している。いつもの見慣れた光景だがここから見上げる白根山はいつ見ても厭きない。天気も回復基調だし体調も悪くはない。

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↑ 弥陀ケ池から夏道と同じく進路を西にとり標識手前から左に折れて樹林帯に入る。今日はトレースがバッチリだし雪も締まっていて歩き易い。樹林帯を抜けると広い尾根状になり右に登っていく。

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P1040208.jpg  ↑ 上部岩稜帯直下から見上げると登山者が一人下降してきた。ルートは夏道と同じで左側のルンゼ状のところを登る。傾斜が段々強くなるが、この辺りで右側に傾斜の緩いところをトラバースするとスパット切れた岩稜になり行き詰まる。もう少し上で右にトラバースするのが夏道通りで正解だ。


 今日はトレースがあるので楽だが一昨年はホワイトアウトでトレース無しのため直登して稜線に出た。雪と岩が好きなら直登がお奨めだがネ。雪の状態にもよるが雪崩には注意が必要なポイントだろう。

P1040218.jpg 昨年は帰路、このトラバースの辺りで滑落しそうになった。菅沼ルートでは核心部となるが一番面白いところでもある。稜線は難しいところも無くやがてニセ山頂だ。それにしても雪が少ない。これじゃスキー場が困っているのも頷ける。
ニセ頂上から一度下って登り直すと本当の白根山山頂に到着―11:40。


 予定では11時頃山頂と考えていたが大幅に遅れた。
弥陀ケ池での休み過ぎか慎重に登ったせいか・・・
やっぱり老化現象による疲れかなぁー。

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P1040234.jpg ↑ 山頂は風も無く暖かくて気持ちが良い。標識の下についている寒暖計の針はマイナス8度を指しているが寒さは全く感じない。30分ほどマッタリとアンパン食べて紅茶飲んだり楽しい一時を過ごした。登山者が一人登ってきたので写真を撮ってもらった。山頂から見下ろすとやはり雪が少ない。昨年はもっと白かった。


 雪が多ければ多いで苦労したと文句を言うし、少なければ少ないでつまらないと文句を言う。独りの雪山ではいつも自分と対話している。「このトラバース恐そうだネ。」「慎重に行けば大丈夫だよ。」・・・なぁーんちゃって。あたしにとっては自分と会話することも雪山の楽しさの一つかもしれない。青空も少しでてきた。周りの景色は圧巻、絶景、コメントなぁ~~~し。

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↑ 五色沼、その奥は金精山?いつものことだが山名オンチ。

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  ↑ 右奥が燧岳、左奥が至払山?

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↑ これはあたしだって解る。男体山と中禅寺湖。 (^_-)☆

 景色も堪能したので下山開始となるが実は重大な問題があったのだ。水のペットボトルを持ってこなかったのだ。というより家に忘れた。出発してスグに気付いたがもう遅い。800mlのテルモスに熱い紅茶を詰めてきたのが幸いだった。しかし、この時点で残り1/3しか残ってない。最短時間の下山ルートは同じルートを戻れば良い。すなわち、山頂から弥陀ケ池経由で菅沼駐車場だ。これなら一方的な下りで約2時間半ほどで戻れる。水もなんとかもつ。

 でも同じルートを戻るのも芸が無い。まぁー、何とかなるだろうと思い避難小屋から五色沼、を廻って下山することにした。夏のコースタイムは約3時間だがこの季節は雪の状態にもよるが4時間見ておく必要がある。ギリギリ日没前に下山できるが途中、五色沼から少し登りがあるので水が心配だ。
下山開始―12:10。

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  ↑ 南に下って少し登り返すと白根神社奥社の祠が祀ってある広い台地になる。ここから見る白根山もなかなか迫力がある。平原状のため視界が効かない時は左の火口に近づかないことだ。下降ルートは火口を左に見て巻いて下る。この辺りで念のためテルモスに雪を詰め込んで残量を約500ml以上にした。熱い紅茶が冷たい薄い紅茶になってしまったが量は倍近くに膨らんだ。天候が急変した場合でも避難小屋に泊まればエエ。非常食、ツェルト、コンロ、コッフェル等も持っているので不安感は全く無い。

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  ↑ 樹林帯を通過して振り返る。急な雪面を下ってきたが新雪時は雪崩が恐そうだ。避難小屋着―13:00。

 小屋の中に人がいたので 「koku さぁ~~ん」と呼んだが返答なし。この時間じゃとうに湯元に下山してるわなぁー。

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 避難小屋からもトレースはしっかりと続いている。天気も良くなったし時間的にも日没までには下れそう。これで避難小屋泊まりは消えた。程なく五色沼に到着。弥陀ケ池よりかなりデッカイけれど一面の雪の平原となっている。白根山もまた違った姿を見せている。
前白根山や五色山に囲まれて静寂で神秘的な風景色だ。

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P1040287.jpg 余す時間も少ないので名残惜しいが五色沼を後にする。30分程登ると弥陀ガ池に到着。たいした登りではないが疲れのためかキツゥ~~~。痛めている股関節がまた痛み出した。弥陀ケ池からはアイゼンを外したかったが滑ると股関節がギグゥ~~とくるので傾斜が緩やかになるまで装着したままで下山。
なんとか駐車場に―16:00着。

 帰り間際の車が2台停まっていたがやはりあたしが一番最後だった。でも予定通り日没直前に帰路につけて一安心。

 今回は前年より雪も少なく、上部でも枯れたブッシユがところどころに出ていた。もう少し雪が多くてトレースがなければワカンも必要になるが相対的に歩き易かった。また、風も無く、この時期にしては暑いくらいだったが、曇り時々晴れの安定した一日が幸いした。

 今日は独りの山を楽しめた。仲間と一緒が楽しくないというのではない。しかし、良い仲間であればあるほど自由と気ままは得られないものだ。時には自分の我が儘さを気兼ねなくさらけ出して独りで登るのもエエもんだ。最近は独りでいる不安を感じる以上にその不安を楽しめるようになってきた。歳をとると不安や恐怖に打ち勝ち大胆になれるのか? 否、そうではなくただ老化現象により感覚が鈍くなっているだけのことかもしれない。ただ、最近何だか独りの山の楽しさが少しだが解ってきたように思える。



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藤坂ロックガーデン 2009-12-10 (木 ) 晴れ [山行記録2009年]


 今日は久し振りの岩登りの練習だ。風もなく暖かく良いお天気だ。勿論、平日だからあたし達4名以外はだぁーれもいない。今日の予定はレスキューの練習を最初に行いその後岩登りの練習だ。レスキューと言っても様々なシチュエーションがあり素人の我々が全てをマスターするのは無理。そんなことより事故を起こさないよう登ることだとなる。しかし不幸にも事故が発生した場合、パートナーは最低限の対応もできないようではクライミングをする資格は無い。

 今日の状況設定はシングルロープでの登攀中、セカンドが落石等で行動不可能になったと想定。セカンドレスキューはダブルロープの場合、テンションの掛かってないほうのロープを利用すれば比較的楽に懸垂下降で事故者を降ろせるがシングルロープではテンションが掛かっているロープを利用するので少し複雑なロープワークとなる。講師は勿論 Aaa さんです。

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 以下の文書は全文 Aaa さんよりいただいたメールのままです。非常に解りやすいのでご本人の了解を得て掲載しました。(少し内容を変えたところがありますが・・・)

【課題】
 「自分がトップで登り、終了点でセカンドのビレイをはじめたが、生憎、セカンドが落石を受け大怪我を負う。すぐにセカンドのところまで懸垂下降して行き、セカンドを支えながら同時懸垂下降で下のテラスまで下りて、救助する。

【条件】
 二人だけで、シングルロープ1本でマルチピッチ中の事故対応
 周辺に他のパーティは居ない

【使用道具】
 環ビナ付きヌンチャク 1本
 環ビナ(手動式、大型)3枚以上
スリング(7ミリ50cm、芯詰め)2本

【概要】
 シングルロープ1本だけで、テンションしているロープ、それに別支点に懸垂支点を作りビレイ器を解除し、今度は、そのビレイ器を使用し自分がセカンドの怪我人まで懸垂下降して行きます。怪我人と合流したら、スリングで同時下降のセットをしてテラスまで下降する。
この時、救助者は怪我人の上側になるか、それとも下側になるか、みなさんと考えました。
怪我人を腰に手を回して支えながら懸垂下降する場合は、ちょっと下がいいし、いつでも背負う気持ちで伴走するのであれば、上がいいような、、、、

【作業の流れ】

① セカンドが落石により墜落し怪我のため行動不能。ビレイ器(ATC-ガイド)が自動的にロープを止めてテンションが強く掛かっている。

② 別支点を作って環ビナ2枚をゲートを逆向きにセットし、ビレイ器のテンション側ではないルーズのロープを、環ビナに通しておく。ロープとの摩擦が強いので必ず環ビナを使用する。【懸垂下降用の支点の構築】

③ テンションのかかっているロープに、スリングでマッシャー結びをビレイ器の下側につくり、それを別支点からヌンチャクなどで伸ばして繋ぐ。 【ストッパーを作ってビレイ器解除の構築】

④ ロープはビレイ器から②で作った支点を通ってルーズになっている方の約1mのところに環ビナにクローブヒッチ(インクノット、マスト結びとも言う)でバックアップを取る。そして、自分(救助する者)のハーネスに繋がったロープを解く。ここでは、予めセルフビレイはデージーチェインで別支点に繋いでおく。【ビレイ器解除の準備】

⑤ ロープのロックしたビレイ器をカラビナなどを解除ようの小穴に引っ掛け、思い切り角度を下向きにするとロープは、③で作ったマッシャー結びにテンションが移るので、ビレイ器とそれの支点類のスリングを回収する。ロックが解除されない場合はスリングを利用し自分の体重で解除する。【ビレイ器の解除】

⑥ 回収したビレイ器を、今度は環ビナ付きヌンチャクで自分のハーネスの懸垂器としてセットする。ルーズ側のロープをビレイ器に通して、その下側にバックアップとしてスリングでマッシャー結びに環ビナでセット、レッグループに付ける。【懸垂下降の準備】

 この状態で、②で作った懸垂支点(2枚の環ビナ)を通してルーズ側のロープに自分が懸垂用のビレイ器とスリングでバックアップが出来、その下側にはクローブヒッチで支点に取ってある形。なお、もう一方はマッシャー結びが支点になった状態で荷重がかかったままセカンドに繋がっている状態。この状態では、マッシャーが支点になった状態で、まだ懸垂支点の2枚の環ビナにテンションは移動していない。

⑦ ここで、バックアップ用のクローブヒッチの解除、セルフビレイのデージーチェインの解除をしておきます。怪我人のテンションが掛かっているロープに結ばれたマッシャーを支点から解除して、環ビナ2枚の方へテンションを移動させるため、自分をビレイ器に体重をかけて懸垂下降させると、そのマッシャーがフりーなる。ここでマッシャー結をび解除しスリングなど回収する。【支点の移動】

 ここでの要領は、セカンドの荷重のかかった方のロープをヤジロベーのように反対側に繋がった自分をロープにぶら下がることで、スリングから環ビナを支点に架け替えることが出来ることです。そして、その段階で、マッシャー結びのスリングがフりーになるので回収が出来ます。

⑧ ここからは、懸垂下降して、セカンドまで下りて行きます。この時、事前に相手側のロープにヌンチャクなどをかけて自分のハーネスに繋げておくと離れないのでいいです。【セカンドまで下降して接近】

⑨ 合流したらセカンドのハーネスのビレイループと自分のハーネスとをデージーチェインで繋ぎ、次にセカンド側のロープにスリングを巻いてマッシャー結びを作り、それを自分のハーネスに付ける。ヤジロベー状態での下降を同時下降へ切り替える。【同時下降の構築】

⑩ これで、一緒に懸垂下降できることになります。
(ここまで Aaa さんの文書です)

 問題としては⑦で怪我をしているセカンドの体重が自分より相当重い場合(例えば男性と女性)、テンションが掛かっているロープのマッシャー結びされたスリングをフリーにできるのか? また、⑧の場合にもヤジロベー状態で体重差をカバーしてセカンドまで下降できるのか? 下降できたとしても下のテラスまでロープが足らなかったら?
 
 まあー、支点として環ビナ2枚がゲートを逆向きにセットされているため滑りが良く支点まで戻るのは容易と思われるが、怪我をしているセカンドは当初より下の位置に移動してブラ下がることになる。 (ーιー ;;; 

 今回は安全で傾斜も緩いところで行ったため、ロープワークの練習にはなったが実践的ではなかった。実際に垂壁の途中で検証すれば問題点がはっきりとすることと思う。

 勿論、安全やロープ操作の観点からもアルパインクライミングではダブルロープが望ましい。運悪くセカンドレスキューが必要になった時にも振り分け救助で懸垂下降ができる。これも机上のロープワークは簡単だけれど現場で検証となると問題が山積か? 実際の問題となるとセカンドのテンションの掛かったロープを切るために常時ナイフが必携となる。
次回は「懸垂下降時におけるロープの連結部の通過」「リーダーレスキュー」なども実践的な必要を感じるので検証してみたいものだ。

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 午後はいつものように楽しく岩登り。あっという間に日没間際になり終了する。冬至が近いし冬の日は短い。楽しい初冬の一日、これも人生。



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富士山 2009-11-21 (土 ) 晴れ [山行記録2009年]


P1040067.jpg また、富士山だ。
富士スカイラインゲートに6:10着。
通行時間帯は10:00~16:00で夜間通行は禁止。 ヽ(`⌒´#)ノ 

 ゲートをづらして中に入ったが今度は重さ5~6トンもあるでっかいコンクリートブロックが置いてある。こうなるとこちらも意地でも通るぞぉー。

 縁石に乗り上げれば車幅ギリギリで通過できる箇所があり無事通過。とまぁーなんだかんだとあってようやく新五合目の駐車場に到着。途中道路脇を歩いている登山者がいた。ゲート脇に駐車していた車の持ち主かも・・・。一瞬停めて声を掛けようかと思ったが散策かもしれないので通過する。でも二本ステッキだったなぁー。

 駐車場には前夜タクシーで来た単独の方と数人組のパーティが出発準備中だった。数人組のパーティはやはりゲートをすり抜けてきたのかもしれない。単独の方はスゴイ。テントの撤収中だ。今日は登頂後宝永山火口でテント泊予定とのこと。スゲー荷物に驚いた。あたしより三つほど若いが、よおやるワ・・・。
単独でテント担いでどこでも泊まる。体力なけりゃ出来るものではない。あたしには絶対無理。

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 久し振りの冬山のせいか出発準備に手間取り―7:10登山開始。寒さはあまり感じないが風が強い。七合目辺りまではまだ地肌が結構出ている。順調に高度を稼ぐ。

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 上空の天気は上々だが下の方は雲が湧いている。真下には宝永山、遠くには駿河湾も俯瞰でき絶景だ。でも上から見下ろすという景色は少し味気ない。北アルプスや八ヶ岳のような連山で見られる迫力ある風景色とは全く異質なものだ。

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 八合目の池田館を過ぎた辺りから風が強烈になってきた。雪煙が立ち上っている光景は富士山には相応しく自然な光景とも言える。標高3200メータ-を超えるとハーハーゼーゼーとなり息苦しい。数歩歩いては立ち止まる。風のせいもあるが年寄りにはキツイ・・・。

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 九合目の万年雪山荘直下までようやく辿り着いた。ゴーグル忘れた単独の方が少し上から降りてきた。ゴーグルなしでは目が開けてられないようだ。冬山にゴーグルは必携だネ。先行していたパーティもここで撤退するとのこと。山頂の浅間神社や富士館の建物がよく見えるが雪煙が立ち上っている。山頂付近は烈風かもしれない。

 この辺りで写真を撮るにも強風のため手が揺れて固定しない。カメラを素手で調整していると小指の感覚が無くなってきた。慌てて手袋をする。ポケットカメラのスイッチ類は小さいので薄目の手袋でも扱いにくい。寒冷地仕様のカメラを発売して欲しい。お陰でこの辺りの写真は全てピンボケだ。ここであたしも冷静に考えた。 (ーιー ;;;

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 正面から風を受けると戻される。雪質はアイスバーンではなくサラサラの粉状。アイゼンの効きは悪いが滑落の危険は少ない。ただ、駐車場が16:00に閉鎖される。現在12:05、この強風では登頂まであと2時間は掛かりそう。下山3時間半として駐車場着予想5時半頃。日没が4:30頃だからヘッデン点けるともっと時間がかかるかもしれない。もっとも出発前はこの状況もありえると思っていたが天気さえ良ければ何が何でも登るつもりだった。道路が閉鎖されたって車の中で寝て翌日帰ればエエと思っていた。ところが、ここでいつもの軟弱さが出てくる。

 ここで戻れば余裕で駐車場まで戻れるし、お風呂に入り暖かい布団でぐっすりお休みできる。なんの躊躇も無く下山決定となった。最高到達点は標高3480メートル。あと300メートルだがあたしには1000メートルにも匹敵する。

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P1040130.jpg 下山となると気が楽だ。天候が急変しない限り登りと違ってリスク要因は少ない。風と雪を楽しみながらのんびりと下る。八合目の小屋を過ぎると風も弱まりガスが出てきた。自分の不甲斐なさをちょっぴり後悔しながら下るので足取りも捗らない。途中で今朝、駐車場で話をしたテント持参のおじさんが重そうな荷を担ぎ登ってきたのに出会う。

 風が強ければ九合目の小屋辺りでテントを張り明日また登れば良いとのこと。本来山登りはこうでなくっちゃとあたしは感嘆しきり。

P1040138.jpg それにしても今日は土曜日なのにこのルートは単独を含め数パーティしか入ってない。原因は道路閉鎖だと思う。ここんところ終日閉鎖または通行可能時間帯が10時~16時のようだ。初冬の富士を楽しみたい登山者にとっては誠に意地悪な処置としか言いようがない。道路には全く雪が無いのにネー。

 
 一昨日の雪辱と言う訳にはいかなかったが、それでも富士山らしい強風を味わい大満足の一日でした。当然、来年も初冬のこの時期に挑戦することを誓う。駐車場着―15:20。

 昨年も同じ時期に登っているが今年はペースが遅い。風と雪が原因だが悲しいかな、歳も一つ取っている。雪山は夏の山と違い前年がどうのこうのとの参考にはならない。その場に直面して初めて解ることが多い。

 去年登れたからといって今年も登れるとは限らない。しかし、これがまた雪山の楽しみの一つかもしれない。登頂だけが目的ならばなにもこの時期に登る事はない。1月、2月の富士山は到底あたしごときが太刀打ち出来るものではない。しかし、この時期は風の強さ、寒さの片鱗を少し味わえるのが魅力だ。当然、その味わいが大きいほど登頂は難しくなる。なんだかんだと言い訳がましいものだ・・・。



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表妙義山縦走 2009-11-7 (土 ) 晴れ [山行記録2009年]


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 上信越道の車窓からいつも見ている妙義山。標高も低いしアクセスも容易だが、岩峰が林立する稜線を眺めると一人で行くのは少し気分が重くなる。
ネットで調べると西穂~奥穂間より悪いとかホンニャラ・フニャラ・・・。
当初、一人で行く予定だったが運良く妙義の達人、koku さんに同行していただけることになった。

 お天気も数日前と打って変わって風もなく暖かい。甘楽PAで落ち合って下仁田ICから中之岳神社駐車場へ。上の立派な駐車場は夜になればゲートが閉まるようなので、下の舗装されてない駐車場に一台デポする。金鶏山の麓を回り込み妙義神社駐車場へ向かうが車窓から眺める奇岩、奇景に目を見張る。妙義神社直下の道の駅から少し離れた駐車場に駐車する。

 装備はkoku さん持参の30m補助ロープ、個人装備としてスリング、カラビナ少々。ヘルメットの代わりに毛糸の帽子。小さな落石なら普通の帽子より毛糸のほうが痛くない。大きな落石ならどちらも昇天となります。
妙義神社出発―6:20。

 本日のコース予定は妙義神社駐車場―大の字―奥ノ院―天狗岳―タルワキ沢のコル―相馬岳―茨尾根のピーク―女坂分岐―タカモドシ―東岳―中之岳―主稜のコル(西岳往復)―中之岳神社駐車場。水平距離は幾らもないがアップダウンの連続はキツそうだ。

P1030927.jpg 妙義神社の境内を抜け鬱蒼とした杉林の中の急斜面を登る。この辺りは、夜歩くと怖そぉーだ。鎖場もあったが、やがて大の字との分岐に到着。鉄板を切り抜き白くペイントされたデッカイ『大』の字が岩峰の上に祀ってある。ここからの展望はなかなかのものだ。出発点の駐車場や上信越道も俯瞰出来るが榛名山の方向は霞んでいる。


 今日は10月の陽気のため視界が今一つというところだ。大の字の岩峰を降りて登山道を辿ると『辻』というところだ。左が中間道、右が奥の院と書かれた標識がある。やがて大きなチョックストーンが詰まった奥の院に着いた。石の階段を登り洞窟の中を覗いてみたが石仏のようなものがあり薄気味悪かった。右壁にルートが付けられていて連続した鎖場を過ぎると稜線の『見晴らし』と云うところに出た。

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 前方には切り立った天狗岳、右は裏妙義、その向こうに山頂部分が少し冠雪している浅間山と絶景だ。西方向へと踏み跡を辿るが、途中判読しがたい標識や祠のようなものがあった。ネットで調べたヒビリ台や玉石とかいう岩峰はどれがとれか解らなかった。また、白雲山山頂の標識も気が付かなかった。この表妙義は茨尾根を挟み東側一帯を白雲山、西側を金洞山と呼ばれているようだ。

 痩せた岩稜を辿るが小さな岩峰を登ったり下ったり、時には巻いたりと結構キツ~~~イ。今日はお天気は上々だが暑くて堪らん。大汗かきながら天狗岳手前の小ピークに到着。石碑のようなものがあるので『大のぞき』のようだ。

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 ここから天狗岳とのコルに下るが長い鎖があった。初めての下りの鎖場かもしれない。ここまでは極力鎖を使わずにクライミングを楽しんできたがここからは積極的に鎖を使い時間短縮ということでパートナーとも意見が合致。


 一気に滑り降りたところがキレット状になっていた。雑木林の中を喘ぎながら急登すると天狗岳に到着―9:00。

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 天狗岳山頂は葉っぱが落ちているため多少の展望はあるが木立に囲まれた変哲もない頂上だ。ここから急斜面を北側に巻くように下降すればタルワキ沢のコルに到着。コルからひと登りすると相馬岳山頂到着―9:35。

  ↓ 木立もあるが落葉しているためそこそこの眺望だ。暑さのせいかモヤがかっているが金洞山が茨尾根を挟み圧巻だ。タカモドシの岩壁、東岳、中之岳、西岳、星穴岳と素晴らしい。嵌ってしまいそうな山塊だ。奥には荒船山の艫岩も遠望できる。

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P1030942.jpg 相馬岳から少し下降すると裏妙義国民宿舎への分岐着。ここを過ぎると踏み跡が解りにくいところもあり表土が流れて木の根が大きく露出している。稜線の右斜面をたどるが荒れてザレている箇所もあった。ただ、この辺りは紅葉が散見されて癒される。今年は雨が少ないせいか期待していた紅葉に程遠い。


 特に紅葉が好きという訳ではないが、この季節だけ見られる赤と黄色の組み合わせにあたしの心が踊るのだ。紅葉は今日の山行の楽しみだっただけに少し残念だ。

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茨尾根ピーク到着―11:00。
展望は360 度で茨尾根の向こうにタカモドシが迫ってくる。振り返れば相馬岳。モヤのためかはたまたスキルの問題なのかボケた画像ばかりだ。気持ちの良い解放感のあるピークのため大休止となる。ピークを下降するとやがて中間道への下降路を左に分け鎖場を過ぎ女坂の分岐に到着。

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P1030964.jpg 分岐を過ぎて暫く行くとこのコース最大の難関と言われているタカモドシとなる。といっても実際はいつのまにか登ってしまったという感じだ。鉄梯子、鎖、ロープなどがあったが登りのためか高度感も無くあっけなく通過。逆のコースを採れば下りになり高度感も感じたことと思う。それでも鎖場はスタンス、ホールドも乏しく垂壁になっていて結構面白かった。

 岩場を過ぎて少し登ると今度は下降となる。先程の登りと比べると少し難しいのかもしれない。鎖の輪が大きくて重いので壁にへばり付いている。これじゃ女性が時々墜落する訳だ。ロープで確保したり懸垂で下降しているパーティも見受けられる。土曜日のため順番待ちになっている。そのうち、お先にどうぞとなり下降したが確保用のロープが垂れ下がっていて気を使う。太い鎖は身体の振れを防いでくれるが非力の女性には気の毒だ。

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  ↑ タカモドシの裏側。真ん中のルンゼ状のところを下降する。

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↑ 東岳、中之岳、西岳と続く。

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↑ 白雲山とタカモドシ。

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↑ 中之岳から見た西岳。

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↑ 中之岳から見た東岳。

P1030985.jpg タカモドシを下り東岳、中之岳を目指す。東岳を鎖で下降し中之岳の岩峰を登る。鎖はないがスタンス、ホールドが多く容易に中之岳山頂へ―13:00。

 西岳も近くに迫り圧巻だ。小休止の後、中之岳を下降する。長い鎖場を下降し中之岳と西岳のコルに到着。一服後、個人装備としてスリング、カラビナを持ち、koku さんは30㍍補助ロープを携帯する。ザックはコルにデポし西岳へ出発する。登山禁止のトラロープを潜り明瞭な踏み跡を辿る。山頂直下に二箇所岩場がありトラロープが垂れ下がっている。使う必要はなかったがルートを示しているという意味では安心感がある。

 山頂からの展望は本日一番の圧巻、絶景、コメント無しだ。星穴岳の景観には圧倒される。koku さんの説明では真ん中の白くザレたところから山頂に登り裏側に回り込み懸垂で星穴に降りるということだ。機会があれば是非行ってみたいものだ。

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 ↑ 西岳から見た星穴岳。

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  ↑ 西岳から見たタカモドシ。上部の下降ルートは右端のリッジ。

P1030998.jpg 西岳からの眺望を充分楽しんだ。コルから一時間弱で往復できる。名残惜しいが下山開始。30分ほどで中之岳神社に到着。無事下山感謝のお参りをして駐車場へ―14:30着。

 デポしておいた車で妙義神社へ向かう。途中、もみじの湯で汗を流し帰宅の途についた。

 妙義山は今年登りたい山の一つだったので大満足です。西岳まで足を伸ばせたのは koku さんのお陰です。ご同行ありがとうございました。

 この表妙義縦走コースは要所要所に鎖が付いていて楽しめるコースです。女性でもクライミング経験者ならそれほど腕力は必要ないはずです。ただ、冒険を求めて気軽に入れるコースではありませんし、出来れば単独は避けたいものです。
どこで滑落したか解らないまま行方不明なぁーんて最悪です。登山は自己責任といっても迷惑を掛けることは可能な限り避けるべきですからね。

 それと西穂~奥穂と難易度を比較するのも無意味でしょう。難易度は個人の体調、自然条件等で大きく変わります。今日は体調も良く、パートナーも最高でした。秋も深まる妙義山・・・楽しい一日でした。

―追記―
この山行記録はあくまでも私の主観に基づかれて書かれたものです。客観的にみればもっと危険な感じがしますので追記しておきます。鎖は要所、要所に付いていますが使い方を誤れば非常に危険です。実際に、鎖を持ちきれずに手を離してしまい墜落するケースも多々あるようです。ハイキングコースに掛かっている鎖とは全く意味が違う箇所もあります。鎖は補助的なホールドでなく、鎖に全体重をあずけないと登下降出来ない箇所もありますが、鎖が長いのであまり腕力に頼り過ぎると途中で腕が麻痺し危険です。各個人のレベルにもよりますが一般的には非常に危険なコースと認識することが肝要かと思います。また、西岳にいたっては複数且つクライミング経験者以外は絶対に立ちいるべきではないでしょう。



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越前岳(愛鷹山) 2009-10-17 (土 ) 曇り [山行記録2009年]


P1030870.jpg 今日はいつもの例会だ。18名でいつもより少ない。熟睡しているうちにバスは富士五湖道路須走ICを出て愛鷹登山口へ。

 今日の予定は愛鷹登山口バス停から越前岳に登り十里木高原バス停に降りるコースだ。当然お目当ては紅葉と富士山の眺望となるが、あいにくお天気は今にも振り出しそうな曇り空。

 越前岳(1504㍍) は愛鷹山塊のの最高峰で富士山との間に遮る山がないため圧巻、絶景のポイントとして知られている。
愛鷹登山口出発―8:30。

P1030871.jpg 舗装された林道を20分程歩くと山神社に到着。駐車場もあり普通車ならここまで入れる。実際の登山口でここから登山道になり樹林帯を約40分で愛鷹山荘に到着する。予約制の小綺麗な山荘だ。水場もあり、テント場も併設されているよだが営利目的ではないように感じる。山荘から少し登るとすぐに富士見峠に着いた。


 黒岳と越前岳の鞍部で峠というより少し開けた林という感じだ。お天気がよければ木々の間から富士山も見えるようだが相変わらずお天気は回復しそうにない。

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P1030878.jpg 峠を過ぎ緩やかな尾根道を越前岳へ辿る。登山道の両側は自然林で山栗が沢山落ちている。栗拾いをしながら歩くが、一時間もあればレジ袋一杯は拾えそうだ。近くの自衛隊富士演習場から間断なく射撃音がパンパンと聞こえてくるためかクマ、リスなどが近寄らないのかもしれない。程なく左側に展望が開け鋸岳から位牌岳のギザギザした山容が迫ってくる。
 
 やがて尾根が狭くなり左側がスッパリと大沢側に切れ落ちている場所を歩く。白ガレンと呼ばれている崩壊地だ。

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 大沢側が切れ落ちた尾根道を約一時間ほど辿ると富士見台に到着。アルミの脚立が置いてあり登ってみるが富士山が見える訳ではない。お天気が良ければ脚立の上からの富士山は見事だろうと想像する。看板もあり、富士見台、岡田紅陽と五十銭紙幣の関連がホンニャラフニャラと書いてあるが興味をそそられる程でもない。富士見台を後にして狭い尾根道を辿る。途中、モミジがあり色づいていたが、後にも先にも紅葉はこの辺りだけだった。

P1030889.jpg ほどなく越前岳山頂に到着―11:50。
昼食の準備を始めると雨がパラついてきた。スグに止んだが標高が1504 ㍍なのでそれなりに寒い。勿論、周りの展望など皆無。山頂は開けているが木々もあり360 度の展望とはいかない。晴れていれば富士山がどのように見えるのかと想像するがイメージがさっぱり湧かない。昼食後、早々に十里木高原に向けて下山開始。

 方向的には下山中、富士山が真正面に見え、宝永山と宝永第一火口の景観も楽しめるはずだったが・・・。

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 気持ちの良いなだらかな尾根になってきた。馬の背と呼ばれていてベンチも設置されている広々とした場所だ。今日初めて富士山が見えた。といっても、裾野だけだが上部は雲の中に隠れている。この時期、山頂辺りは少し冠雪しているはずだが、今日は無粋なゴルフ場がやけに目立つ。大きな傷跡のように見えて富士山が可哀相だ。

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P1030911.jpg 櫓で作られた十里木高原展望台に到着。天気が良ければ雄大な富士山が視界一杯に広がっているはずだが相変わらず裾野とゴルフ場が見えるだけ。折角なのでもう少し全体の姿を見たかったが、雪のない富士山はどうしても見たいという対象でもない。
来月末には富士宮ルートで登る予定だ。昨年は雪が少なかったが、さて今年はどうだろう。

 山頂から越前岳を眺めるのも一興だろう。展望台から10分も下ると駐車場にある我々のバスが見えた。十里木高原駐車場到着―14:15。

 今日は一日中曇天で視界不良、その上期待していた紅葉も当て外れ。個人山行だったら少しガッカリしたかもしれないが、いつもの仲間と一緒だから充分に楽しかった。普段の生活に絡みついている心の奥底に潜む不安や焦燥を忘れ去ることが出来る一時を持てたことも嬉しい。

 山に行く時は目的よりもその過程を大事にしたいものだ。低山であろうと、雨が降ろうと、荷が重かろうと山頂に登れなくとも常に満足感を得、悦びを感じたいと思っている。この経験が自分の深さと厚みに繋がっていくのかもしれない。あたしにとっては山への憧れや情熱は普段の生活を維持するためにも必要な糧でもある。



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藤坂ロックガーデン 2009-10-15 (木 ) 晴れ [山行記録2009年]


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P1030820.jpg 久し振りの藤坂RGだ。終日、我々5人で貸し切りだった。平日だから当然だろうけれど。それにしても秋晴れの素晴らしいお天気だ。

 朝一番に、支点の構築とリード、フォローのビレー操作を確認し合う。大昔、こんなことはしなかったが、非常に大事なことだと思う。ビレー器具も色々あるので誤った使い方をすれば致命的になる。今日はレスキューの練習は割愛となったが又の機会に再確認したい。

 岩トレは今日で3回目だ。ようやく岩に慣れてきたようだが、まだリードで楽しめるというレベルには程遠い。

 原因は身体の柔軟性、特に股関節が固いのとバランス能力低下となる。凹角のルートで、昔は「こんなところ足を開いて突っ張ればなんてこたぁーない。」と思い強引にづり上がったが、股関節がギクッときた。しばし、悶絶・・・。年寄りの冷や水と言えばそれまでだがネー。

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 昔は単純に『岩登り』と表現していたが今は、フリークライミング、エイドクライミング、スポートクライミング、アルパインクライミング、アイスクライミングなぁーんて頭が混乱する。最近ようやくそれぞれの意味が少し解った。

 フリークライミングのフリーは自由ではなくて、何も無いという意味で使われている。用具を何も使わないで登るということだ。ロープ、ボルト、ハーケン、ヌンチャク等はよじ登る手段として使用してはいけない。あくまでも安全上使うだけということになる。カラビナをホールド代わりに使ったりハーケンをスタンス代わりにするとエイドクライミング(人工登攀)となる。

 また、狭義ののフリークライミングがスポートクライミング(競技者は一人なのでスポーツではない)となりワンピッチのみで絶対的な安全が前提となる。ラペルボルトのみのルートとかで自分の判断でプロテクションは取れない。クライミングジムなども含まれるということだ。

 アルパインクライミングとなると・・・自然条件が加味されると何でもアルパイン? ゲレンデでも雨に濡れた岩ならアルパインとなるのかも。フリーソロなぁーんて言葉もある。あたしにとってはどうでもエエことだ。感覚的には全て昔通りの岩登りの範疇に入る。

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 また、昔は基本の三点支持だけで岩を登ったものだ。ごく自然なことだった。片手片足で岩にしがみついていると怖いもんネ。
ただ、超一流のクライマー達は華麗なムーブを駆使し憧れの存在だった。ガストン・レビュファなどのようにネ。

 あたし達、四流五流のクライマーはドタ靴履いて岩にしがみついていた。今は岩の状態、形状毎に色々なムーヴやホールディングを駆使して登っているようだ。登攀技術の進化はスゲー。昔、チンネ左稜線のオーバーハングはアブミを使ったが今はフリーだそうだ。

 ここ最近、ようやくロープワーク、ビレイ、ブロテクシヨン等にも慣れてきた。次は登攀技術の習得だ。華麗なムービング・・・あり得ないか・・・。
クライミングジムのスクールに入校してみょうかな・・・。
また、年寄りの冷や水になりかねないが。



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阿弥陀岳南稜(2/2) 2009-10-9 (金 ) 晴れ [山行記録2009年]


P1030681.jpg P3の基部から踏み跡を左に辿るが取り付き点が良く解らない。急な草付きを斜め下に下降しルンゼを渡ってしまった。奥壁の基部のようだ。急峻な草付きでカモシカが一頭こちらを見ている。「バカな人間がいるもんだ。ルート間違ってるぅぅ~。」なぁーんて言ってるように見えた。踏み跡も消えてしまい、ヤバそうな草付きになってきたので引きすことにした。

 戻りながら上を見上げるがどのルンゼもガリーも陰惨で登れそうにない。下降し始めた辺りまで戻ると壁にボルトとワイヤーが見えた。ここがネットで調べておいた取り付きのトラバース地点らしい。そこまで戻るのも面倒なので左の壁から登る事にする。ひろ丸さん先行で取り付き、難なくトラバース地点上部でルンゼに入る。

 傾斜はあったがホールド、スタンスが多いので問題なし。ルンゼの中央は濡れていて、ところどころ凍っているので主に左の壁にルートを採る。アバウトで50~60 ㍍あったかもしれないが快適なクライミングを楽しんだ。ネットではフィックスがあると書いてあったがフイックスどころか支点すらなかった。綺麗に取り払われていて気持ちが良い。途中、真新しいボルトのようなものが一本打ち込まれていたがグラグしていて抜けそうだった。

 雪や氷が無い限りロープは不要と思うがハイキング気分という訳にはいかない。但し、浮き石、落石は要注意。ルンゼ上部からは急峻な草付き混じりになりやがて踏み跡も出てきて終了。高距離があるのでスゴク面白かった。

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(↓↑ ひろ丸さん御提供)
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 濡れた手袋でデジカメを操作したためショートしたのかここからの画像が全て記録されてない。ガックリだ。このページの画像は全てひろ丸さんからの御提供です。ありがとうございました。あたしよりはるかに上手だし、なんと言っても構図がエエ。

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 写真が見つかったので再度アップする。 ↑ P3ルンゼ取り付き点。
↓ はP3ルンゼの上部を登るひろ丸さん。

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↑ 奥壁の上部。

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↑ P3を抜け狭い稜線を辿ると眼前にP4が迫ってくる。これを超えると頂上だ。

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RIMG3695.jpg ↑ 右側には赤岳、中岳、横岳、展望荘まで良く見える。また、中岳から阿弥陀岳の登山道に登山者も見え素晴らしい景観だ。
← P4の基部に到着。踏み跡通り左に巻いていくと傾斜の緩いルンゼがあった。核心部のP3も終わったのでルンルン気分だ。岩も乾いているしホールド、スタンスも充分、というより傾斜が緩いので階段のようだ。

 ルンゼを登り切り急なガレ場を登ると緩やかな草付きが広がっている。
適当に登っていくとヒョコリと頂上に出た―12:45。

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RIMG3702.jpg 登山口から約5時間半。天気が良くて景色を楽しみながらだからこんなものだろう。山頂は我々二人だけだった。もっとも舟山十字路からここまで誰にも会わなかった。多分、帰路の中央稜でも誰にも会わないだろう。阿弥陀岳は赤岳と違ってマイナーな山だが反面静かな山行が楽しめる。今日は台風の翌日だし平日だから当たり前かも。

 ガスの切れ間に赤岳を中心とした山容が絶景だ。一般道と違い、登った達成感が大きい。  I maid it!

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 30分以上の大休憩後、名残惜しいが下山開始。摩利支天の岩峰を過ぎ、中央稜と御小屋尾根の分岐へ。ここから見る景観はいつ見ても圧巻だ。

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 ↑ 中央稜だ。下降地点は標識を過ぎ少し行った辺りから右ハイマツの中に付いている踏み跡を辿り左から降りる。降り口は少しクライムダウンになるので積雪期は少し怖そうだ。

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RIMG3722.jpg ↑ 少し下降した地点から見上げた中央稜のテッペン。冬は急峻な雪壁だろう。
この中央稜の上部は兎に角傾斜が強い。
ハイマツの中を下るから危険は感じないが・・・。

 滑らないようにハイマツを掴んで下っていくとやがて上部岩壁の上にでる。踏み跡は右から巻いている。

 巻き終わった辺りから踏み跡がところどころで不明瞭になるが稜線を外さないよう下降する。こんな時二人の場合、気が楽だ。単独なら心細く不安になる状況だネ。

RIMG3726.jpg  ← まもなく下部岩壁の上部に到着。
ここは左から巻いて下降するが一部、踏み跡が不明瞭だ。この画像の辺りだったと思うが、踏み跡か獣道が下に向けて降りているが実際は岩の基部をトラバースするのが正解だったようだ。この辺りは傾斜が強く踏み跡も判別し難い。鹿やカモシカの糞が一杯落ちているので獣道も交錯しているようだ。

 下部岩壁を通過すると傾斜も緩まり、稜線を外れないように気を付けるだけだ。踏み跡に落ち葉が堆積し少し解りづらいがフカフカしていて気持ちよく歩ける。最後の急斜面を下降すると広河原沢右俣に到着。対岸をに渡り左岸の踏み跡を少し辿るとこの辺りが二俣のはず。左岸をどんどん下って行き、大きな堰堤を過ぎた辺りから踏み跡は右岸に渡る。暫くすると踏み跡も広くなりやがて林道になった。今朝通った南稜への分岐点を過ぎ舟山十字路到着―16:35。

 静かな山行ができ、感謝、感謝。ひろ丸さん、ありがとうございました。だだ、中央稜下降時、ガスのため南稜方向が全く見えなかったことだけが残念だった。今日は二人だったのでルートファィンティングが楽だったし心細さや不安も感じなかった。冬のルートも想像しながら歩いたが、南稜はやはりP3のルンゼ、中央稜は下部岩壁辺りと最上部が核心部になりそうだ。いずれにしろあたしの場合、単独は自殺行為のため誰か連れて行ってくれないかなぁー。



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阿弥陀岳南稜(1/2) 2009-10-9 (金 ) 晴れ [山行記録2009年]


 台風18号が昨日去った。台風一過の好天となりそうなので、かねて打ち合わせしていた通りひろ丸さんと一緒に勇躍出発することになった。中央高速の双葉SAで合流。小淵沢ICから登山口の舟山十字路へ。車は10台ほどは置けそうだ。一台停まっていたがどうも地元の人のようだ。

 今日一日、天気も崩れる気配は無さそうなので予定通り南稜を登り中央稜を下降とする。3ヶ月前にも、天気が良ければ南稜、悪ければ中央稜と計画したが、今一つの天候のため中央稜の取り付きが解らなくて結局、御小屋尾根の途中に出てしまった。阿弥陀岳は登ったがモヤモヤ感は今日まで鬱積していた訳である。まぁー、今日は雪辱戦ということになる。前回は単独だったが今日はひろ丸さんが御一緒のため心強い。

 クライミンクのギヤーは必要ないだろうと判断し車にデポ。だだ、スリングとカラビナ少々、ひろ丸さん持参の補助ロープ20㍍は万が一のため持っていくことにした。舟山十字路出発―7:20。

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P1030627.jpg  ↑ ゲートの脇を通り抜け林道を進むとすぐに立派な標識がある舟山十字路になる。本当は十字路でなくT字路だ。左が御小屋尾根、真っ直ぐが南稜、中央稜方面となり一般ルートでは無いとわざわざ表示されている。林道を20分ほど直進すると右側に阿弥陀岳の朽ち果てた標識があり右に曲がる。すぐに広河原沢を渡るが、昨日の台風にも関わらず水量は多くない。

 濡れるのを覚悟していたので拍子抜けだ。対岸に渡り明瞭な踏み跡を急登すると10分ほどで南稜の稜線に出た。

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 立場山までは展望のない樹林帯をぐんぐんと尾根通しに登る。落ち葉が堆積していて一部不明瞭なところもあるが歩きやすい道だ。尾根の右側は私有地のためか鉄線が張られて『立ち入り禁止、罰金10万円』などの表示がやたら多い。松茸が採れる場所なのかもしれないネ。立場山山頂到着―9:15。

 地図上の標高は2370㍍で看板の表示とはかなり違う。山頂というよりただの林で展望も全くなし。立場山から少し下ると展望の良い平らな場所に出た。真っ正面に阿弥陀岳が迫ってくる。右側の稜線が南稜だ。P3、P4の岩峰も識別出来る。近くには権現岳、遠くには南アルプスも良く見える。天気も、少し雲があり時々ガスも流れているが、風も穏やかで暖かく秋の絶好のハイキング日和というところだ。

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(↑ ひろ丸さん御提供画像)

 少し下ると青ナギという場所に出た。右側が崩壊していて急斜面で相当下の方まで落ち込んでいる。滑り落ちると止まりそうにない。人工的なシチュエーションに見えるが全く自然のままらしい。何年か後には姿が変わっているかもしれない。樹木も少なく開放的で実に気持ちの良い場所だ。阿弥陀岳も全容を現わし周りの景色も素晴らしいので写真の撮りまくりだ。それにしても、何故青ナギというんだろう?

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(↑↓ ひろ丸さん御提供画像)

あたしが写ってるぅぅぅ~~~。 ヽ(●^ o^●)ノ

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 青ナギを超えると稜線も痩せてきて岩っぽくなってきた。右方向には赤岳や中岳も見え圧巻、絶景、コメントなし・・・。

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↓ 無名峰辺りから南稜は左へ曲がり正面に阿弥陀岳が迫力ある姿で迫ってきた。正面が南稜で結構威圧感がある。P3を左からP4も左からなぁーんて思い浮かべるが、まぁーなんとかなるだろう。これだから未知のルートは面白い。

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↓ P3 の基部に近づいたので装備の点検をする。靴ひもを締め直し、スリングとカラビナを肩に掛ける。ひろ丸さんは念のため20㍍補助ロープを取り出し易いよう準備する。いよいよ本日のハイライトとなるので少し緊張感が出てきた。

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↓ 振り返ればこれまで辿ってきた立場山から続く南稜が美しい。上から見た青ナギが丁度そこだけが禿げていて面白い。なかなか雄大な景観だ。
 
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