上海世博会 ② 2010-9-1~4 [海外旅行2010年]
9月3日 (金) 晴れ
雲は多いが今日も良いお天気だ。大陸性の気候なのか、暑いけれど風が爽やかに感じる。今日は世博会見学と上海観光等に別れて行動し、夜は南京西路のレストランに集まって食事をすることになった。勿論、あたしは世博会見学に付いていった。
ホテルを9時過ぎに出る。タクシーで地下鉄9号線合川路駅の近くにある中国銀行に向かう。次回の中国行きに備えて少し両替する。1万円が778元となりレートが高くてありがたい。成田空港あたりで両替すると1万円は650元にもならないだろう。少し儲かった気持ちだ。中国銀行から合川路駅まで歩いて約10分。お天気も良くブラブラと歩くのは愉しい。
昨日と同じ経路で世博会会場へ到着。11時を過ぎていたがのんびりと散策する。日差しは強いが風もあり気持ちが良い。ベルギー館に入り無料で配られているチョコレートを戴く。こんなたわいもないことも愉しい。
行列を覚悟でイタリア館に向かう。列の上にはテントが掛けられ、ところどころで霧のシャワーを発生させている。途中には長椅子なども置かれ、並んでいる人に優しい。暑いが耐えられない暑さという程でもない。西洋人は時々見かけるが日本人は見かけない。当たり前だが大半は中国の人々だ。今日もこの広大な敷地に入場者23万人とのこと。
日本館の待ち時間が2時間とのアナウンスがあった。日本館やアメリカ館は今日も諦めだ。一番人気の中国館は当然無理だがイギリス館あたりでも2時間ほど並ぶことになりそう。しかし並んでいても楽しい。周りを観察して人間ウオッチングだ。逆に観察されてもいるのだが・・・。
1時間以上も並んでいただろうか、ようやく入館できた。
さすがにイタリア館だ。館内はおしゃれなことこの上無し。あたしのようなおしゃれ感覚ゼロ人間でも、 ウムム・・・ (ーιー ;;; となりそう。絵画や彫刻なども展示されていて芸術・デザインの国をアピールしている。これぞイタリアというシチュエーシヨンだね。アジア感性のあたしには、このヨーロッパ感性は馴染めないが、それでもセンスあるゥゥゥ~と思った。
館内にある最上階のレストランに入った。もう午後1時過ぎなのでお腹もペコペコ。海鮮パスタとグラスの赤ワインなどを注文する。味は少し中国風にアレンジされているがとても美味しかった。テーブルや椅子、食器なども洒落ていて高級な雰囲気だ。値段は日本のイタリアレストラン並みだが中国の物価と比較するとバカ高い。それでも美味しかったし愉しかったので大満足。
船で黄浦江を渡り産業・工業館エリヤの日本産業館に行くことになった。館内のシャトルバスに乗って船着き場へと行くつもりが反対方向に乗ってしまった。
お陰で日本館の建物を観ることができラッキーだった。上の画像のピンク色の建物で、これから行く予定の日本産業館とは異なり待ち時間2時間以上という超人気館の一つだ。バスで引き返し船着き場から乗船。会場内ならバスも船も無料だがマップを見ても中国語で、おまけに文字が小さくて現在地の把握が難しい。
ようやく黄浦江の対岸にある産業・工業館エリヤに到着した。対岸には世博文化中心館も大きく見える。これまでの国家館と違いこのエリアは個別の企業も出展しているので雰囲気が少し違う。日本産業館も長い行列ができていた。待ち時間は・・・。1時間程度で入館出来そうにないので諦めることになった。
主題館に入りブラブラと見学し、鼓弓の演奏を聴いたりして時間を過ごす。
夕食の集合時間が7時なので会場を後にする。バスを降りて高架歩道を歩き2号門から出た。地下鉄8号線の西蔵南路駅より乗車して人民広場駅へ。新世界城の地下からカプセルのようなエレーベーターに乗り12階のレストランへ。上海料理を美味しく戴いて解散。地下鉄8号線に乗り陸家浜路駅で9号線に乗り換え合川路駅到着。途中で座席を譲られ複雑な気分となるが嬉しかった。
地下から階段を上がったところにセブンイレブンがあり便利だ。といっても日本と違い品揃えは少なく飲料水が中心のようだ。ミネラルウォーターが1本20~30円だから安い。交通費、飲料水、食べ物が安いと旅行者はありがたい。白タクが数台待機しているが流しのタクシーを拾ってホテルに戻った。
お天気も良く愉しい一日を過ごしたが歩き疲れたぁ~。シャワーを浴びて爆睡。
9月4日 (土) 晴れ
今日はもう帰国日だ。世博会はまる二日間見学したので充分に満足した。個別の国家館は記憶が薄いが、全体的なイメージとしての記憶は強く残っている。過去何度か海外に出かけたが今回が一番愉しかったように思える。今までの海外は独り参加、もしくは仕事絡みだったせいもある。お陰で上海がますます好きになってしまった。今度、上海を訪れた時は街をブラブラと歩きたい。独りでウロウロするのも疲れるし、つまらない。ツアーに参加してみょうかなぁ~。フリー日があるツアーなら料金も安いし好都合だ。
ここ数日、尖閣諸島沖での衝突事件が報道されている。心が痛む。乳幼児期2~3年、中国で育ったせいかもしれないが、これ以上のエスカレートは何としてでも避けて欲しいものだ。国家の意地、プライドは必ず国民を巻き込む。あたしは、中立だぁーと言っても無意味だねぇー。
中国で成人していたらどんな生涯を送っていたことか・・・。今頃生きてるだろうか・・・。時々、フット考える時がある。人の運命は不思議なものだ。
あたしの人生路、大きな分岐は中国だった。それにしても残留孤児にならなくって良かった。最近テレビのドラマで『遙かなる絆』を見た。残留孤児が成人になり日本に戻る。中国の親と日本の親、観ていてもツラかった。お彼岸ということもあり、死んだ両親に感謝する今日この頃だ。
こんなことを考えるのも歳のせいかも・・・。 (Θ _Θ
上海世博会 ① 2010-9-1~4 [海外旅行2010年]
9月1日 (水) 晴れ
中国語の研修旅行とかホンニャラフニャラで上海世博会(万博)に出かけた。本来なら9月末頃にでも独りで行こうかなぁーと考えていたのだが・・・お誘いがあったので参加させていただいた。中国語会話を学んでいる人達のメンバーで先生も参加されているので心強い。女性4名男性3名のグループで出かけることになった。
↑ 世博会入場券 1枚160元(約2000円)
結果的には色々な面で参加させていただき良かった。独りで行ったとしたら苦労したうえに、つまらなかったことと思う。
成田発15:05のフライトだが約1時間遅れで出発となった。滑走路に向かって進んでいたようだが途中でストップ。最初は確か、管制塔の指示待ちとかアナウンスされていたが結局はエンジントラプルということでターミナルに引き返した。出発ロビーで待つこと約3時間・・・ようやく午後8時頃再出発。少し動いたが再度エンジントラブルでストップ。また、ターミナルに戻ることになれば今日の出発は駄目だろうと諦め気味だったが、暫くして「修理完了したので離陸します。」とアナウンスがあった。「おいおい、ちょっと待てくれぇ~・・・」と思っているうちに離陸してしまった。離陸してからのアナウンスでは左エンジンの部品を交換したからもう大丈夫ですとのこと。AIR CHINA だから、まぁーエエか・・・。おおらかことは好ましいのだが、なんとなく落ち着かないフライトだった。
浦東空港に着いたのが現地時間で11時を廻っていた。虹橋エリアのホテルまで車で1時間、何だかんだと・・・寝たのが深夜2時過ぎ。
チカレタァー。お腹も空いたぁぁぁぁ~~。 (-_-)°zzz・・・
9月2日 (木) 晴れ
昨夜が遅かったので、朝食を食べてホテルを出たのが9時過ぎになつた。短い睡眠時間だったが熟睡できたし、ホテルの朝食も美味しかった。
「我身体很好」「一切都好」
タクシーを拾って地下鉄9号線合川路駅まで行く。上海の朝は活気に溢れているのでこちらも元気になる。タクシーは初乗り運賃12元(約160円)で合川路駅に到着。馬当路駅で13号線に乗り換えて世博大道駅まで行くのだが4元(約55円)だ゛。
地下鉄初乗り運賃は北京では2元だったが、上海は3元のようだ。ICカードの切符は券売機のタッチパネルを操作して購入するが、乗換駅を確認してから券売機を操作する方が良い。日本と違い購入枚数を打ち込み料金が明示されてからお金を投入する。簡単な手荷物検査は北京と同じ。改札は勿論自動でICカードをタッチするだけだが回転バーがありタイミングが必要だ。少しでもモタつくと回転バーが作動しないのでやり直しとなる。途中、10駅ほどあったが車両は新しくて気持ちがよい。日本の地下鉄と違い広軌のせいか、かなり幅が広く感じられる。
13号線は世博会場の中に乗り入れられているので便利だが世博会のために部分的に開通させた路線のようだ。改札を出る時はICカードが回収される。地下鉄は概ね北京も上海も同じ感じだが少しの違いに戸惑う。もっともあたしの場合は東京の地下鉄でも戸惑うから気にならないがネ。 (^^;ゞ
今日は台風の影響だろうか、蒸し暑い。会場の入り口では徹底的に検閲があり、たまたま持っていた錠剤の種類まで問われ、財布の中まで調べられた。中国のおおらかで少しいい加減な国民性は大好きだが、このような国家権力を背景にした処置には閉口する。もし、大麻や覚醒剤でも所持していたら永久に日本には戻れないかも・・・クワバラ、桑原。あたしは降血圧の薬しか持ってないもんね。まぁー、テロ防止、安全第一はエエことだが・・・。
あまりにも広くてどこの展示館に入ってよいのやらまごつく。兎に角、行列のないところを目指すことになった。シンガポール館やマレーシャ館あたりが最初だったと思うがはっきりとした記憶が無い。館内はどこも同じようなものでその国の歴史、観光名所、特産品や未来の姿を映像で見せたり展示したりが多い。民族を強調したショーなどもあり楽しめる。館内は光と彩色に満ち溢れ、演出は館ごとに異なりお国柄が出ていて面白い。
お腹も減ってきたので昼食となった。どこも人で一杯だったがファーストフード店のようなところで食事をした。美味しかったが量が多くて食べきれない。
午後は世博中心館を見学した。世博会の主題館でもあり地球の環境破壊や温暖化がテーマとなっている。映像も壮大だし仕掛けもスケールが大きく楽しめた。
この辺りは公園もあり、人も少なく歩き疲れを癒すには良いポイントだ。午後も暑いが午前中のような蒸し暑さではない。東京よりはよほど凌ぎやすいと感じた。
中国館にやって来た。詳しくは解らないが中国館に入館するには朝一番に並び当日の整理券を入手する必要があるとのこと。入館するには、また2~3時間並ぶことになる。見学する気なら少なくとも半日以上の覚悟が必要なので当初から諦めていた。ただ、70歳以上の人に対しては整理券が不要なのか、並ぶ必要がないのか良く解らないが、何か特権があるようだ。
あたしは対象外れぇ~す。中国館の建物には中国国家館と中国省区市聯合館の二つがあり国家館の方は記述の通り入館が困難だ。今回は聯合館に入館したが殆ど並ぶ事無く入館できた。外観からの想像より内部はかなり広い。北京館から上海館まで31館もあり中国情緒タップリだし一番楽しめた場所だった。この中国館を観なくて何が上海世博会だということだろう。
外に出ると薄暗くなってきたので夕食とする。小食堂街で海鮮焼きソバ風の麺とスープをいただいた。美味しかったし量も充分。15元(約200円)の夕食だが満足だ。値段が安いことは嬉しい以上に心を豊かにしてくれる。
日が暮れた会場は日中の暑さも和らぎ素晴らしい景観だ。あちらこちらのイルミネーションに目を奪われる。音楽噴水が始まるまで一時、夕食後の休憩も兼ねてのんびりと過ごす。黄浦江で音楽噴水が始まった。音楽に合わせて水の柱が移動し、姿を変える。色とりどりの光線が水煙に映え、いやがうえにも会場を盛り上げる。
黄浦江からの涼しい夜風も頬に心地よい。日頃の生活では決して味わうことのない無縁のこの光景は普段と違った心の状態を引き起こす。山上で夕日が落ちる時に感じるあの寂しさや哀しみに近い思いを抱いていたようだ。強烈な思い出となったのは確かだが、あえて自分に追求しないほうが気持ちの上では楽だし、そんなことをしたところでどうなるものでもない。
混雑を避けるためショーが終わる前に会場を後にした。
地下鉄とタクシーを利用し約1時間程でホテルに到着。
有点儿累。 晩安! (-_-)zzzZZZ
中国西安・蘭州・敦煌 ④ (5/30,5/31) [海外旅行2010年]
敦煌観光、北京へ 2010-5-30 (日 ) 小雨 5日目
朝から小雨が降っている。
年間降雨量40ミリにも満たない超乾燥地帯なので雨は珍しいようだ。水はアルタイ山脈から豊富な地下水が供給されているようで砂漠のオアシスと云われる由縁である。今日は北京への移動日だから観光は敦煌故城だけ。実際の城跡は崩れかけた城壁があるだけで建物は全て映画のセットのため建てられたようだ。
昨日、観光した莫高窟や鳴沙山が素晴らしかったためか、反動でここは興醒めとなった。空港に向かう途中、砂漠の彼方に崩れかけた狼煙台が見える。こんな広大な砂漠の中でも人が暮らし、いろいろな歴史がある。敦煌はシルクロードのオアシスで東西を結ぶ重要な拠点であり続けた。この崩れかけた狼煙台を見ているとシルクロードのロマンと歴史が感じられ感傷的になる。
敦煌空港は市内から30分ほどの小さな空港だ。タラップを上がって飛行機に乗るのは久し振りだ。北京まで約3時間。列車なら約32時間となる。北京空港到着後夕食会場へ。敦煌と違って車の洪水だね。
夕食はお決まりの北京ダック。肉が油っぽくって・・・。日本人はやはりパリットした皮だけを食べる方がエエ。ボリームはたっぷりだったがね。
ホテルに戻ったが時間がまだ早いのでツアー仲間の女性二人とホテルに隣接するビヤーガーデンのような所に飲みに行った。生バンドも入っていて客は西洋人が多い。何故か日本人は我々三人だけだった。屋外だが適温で気持ちが良かった。ビール3本とつまみ少々で計400円ほどだった。2時間程歓談したが楽しく過ごせて感謝・感謝だ。ホテルに戻り爆睡。
帰京 2010-5-31 (月 ) 晴れ 6日目
今日は帰国日だ。早朝、ホテルで朝食後北京空港へ。無事、成田到着。今回は移動距離が長くて疲れた。観光のポイントは西安の兵馬俑、蘭州の黄河、敦煌の莫高窟と鳴沙山となるが、印象に残ったのは広大な砂漠や黄土高原だ。楽しかったのは夜行寝台列車となるが、車窓の風景から中国の広大さをいやが上にも感じさせられた。
良い点、悪い点なんでもありの国だが、兎に角楽しい・面白い・興味津々の国だ。観光名所も日本と違い人間臭さを感じる。小狡い・たくましい・・・。そこがまた魅力なのだなぁー。中国語も簡単な会話ていどならなんとかなるので年内にもう一二度訪れたいと考えている。
中国西安・蘭州・敦煌 ③ (5/29 ) [海外旅行2010年]
敦煌観光 2010-5-29 (土 ) 晴れ 4日目
朝7時過ぎに目覚めたが、すでに外は明るかった。西へ相当移動しているので夜明けはもっと遅いと考えていた。前夜、日が暮れたのは午後8時過ぎだったが・・・。中国の国内では時差が無い。東西約5000Kmだから2時間以上の時差があっても良いはずだ。まぁー、そこが中国の中国たるところで、経済成長至上主義には時差無しの方が有利なのかもしれない。
トイレや洗面所も空いていて快適だ。隣の車両が食堂車になっている。ガラガラだ。もっとも食堂車といったってメニーユはカップラーメンと飲み物程度だ。車両毎に熱いお湯が調達できるので座席でも容易にカップラーメンが食べられる。カップラーメンが駅弁だネ。
熱いコーヒを注文した。散々待たされたので厨房らしき所を覗くとインスタントのネスカフェを取り出していた。そのうちグラスに入った熱いインスタントコーヒーが運ばれてきた。砂糖とクリープが小皿に山盛りでレンゲが付いている。これが中国風なのだと再認識。そういえば西安のホテルの朝食バイキングでもコーヒーが無かった。中国ではお茶を飲めということだろう。コーヒー一杯が日本円換算で40円程度だから、とやかく言うこともないが・・・。
しかし、コーヒーごときに何故こんなに時間がかかるのだろうか?乗務員らしい女性が数人手持ち無沙汰にしていたが。また、コップや皿をテーブルに置く時ドスンと投げ出すように置く。「こぼれるぅぅぅ~。腹立つなぁーもおぅー。」 北京でもそうだった。窓口で切符を買うと切符とお釣りが投げ返される。予期して無かったので切符もお釣りのコインも床に転げ落ちそうだった。想い出したらまた腹が立った。サービス精神が無いというよりそれが普通のようだ。郷に入っては郷に従えということだ。
車窓の景色は土漠か砂漠だ。時々、風力発電のでっかいプロペラが見えるだけ。日本では見られない風景色が楽しい。やがて住居がポチポチ見えだし終着の敦煌駅に到着。午前9時30分だ。
約15時間ほど列車に乗っていたわけだが、退屈することもなかったし大変楽しかった。やはり列車の旅はエエもんだ。この列車は西安始発だ。西安からだと約24時間を要する。上海~トルファンなどは40時間以上かかるということだ。鉄道ファンでなくても列車は楽しい。また、機会があれば乗ってみたい。
敦煌市内で遅い朝食を済ませて莫高窟へ向かう。街を出るとスグに砂漠になる。振り返ると街だけが緑に囲まれていて周りが全部砂漠となっている。砂漠のオアシスと云われているが納得。それにしても遠くへ来たもんだ。丘陵が近づきやがて莫高窟に到着する。
沢山の石窟があり壁画を鑑賞する。乾燥地帯のため壁画の保存状態が良いとのこと。5世紀から15世紀までの1000 年間にわたっての仏教文化を観賞できる。1000 年間絶え間なく石窟が彫られ、仏像が造られ壁画が描かれてきたということになる。石窟の中には奈良の大仏さんのように大きな仏像もあった。あたしのような無神論者でも宗教の力の凄さに感動した。
石窟の一つ一つには扉があり厳重に鍵が掛けられている。石窟は700窟いじょうあるが観光客に開放されているのは40窟という。開放されている石窟の中から専門のガイドがお好みで抽出した10窟程度を我々観光客が観賞できるというシステムだ。まぁー、専門ガイドも公務員だし国家的な遺産だから仕方がないだろう。しかも石窟内は写真撮影禁止となっている。専門のガイドさんが日本語で説明しているが・・・仏教美術にあまり興味のないあたしにはちょっと苦痛なのだ。中国でも屈指の観光地だけに綺麗に整備され西洋人も見受けられる。風が強くて時々砂が吹き付けてくる。
市内に戻り昼食後、鳴沙山・月牙泉に行く。街の中心部から20分ほどだ。敦煌は街を出ると周りが全部砂漠。なんとも不思議な感覚だ。砂丘の下までラクダに揺られて砂漠を辿る。初めてラクダに乗ったが乗り心地は良くない。コブとコブの間に座るので安定感は良いが降りる時前足をガクンと曲げるので前につんのめりそうになる。しかし、あたしの乗ったラクダはかわいい顔をしてたなぁー。
砂丘は自分の足で登ることになる。ラクダは登ってくれない。時間が一時間程あったのでテッペンまで登った。標高差約200メーターぐらいかな。テッペンまで登る酔狂な観光客はあまりいないようだ。テッペン直下では風が強く口・鼻・耳が砂だらけ。目にも砂が入り帰国してからも目がゴロゴロした。砂嵐は体験したこと無いがこれは砂嵐のようなものだろう。
太陽が出ているのに砂で周りが暗くなり視界ゼロ。登ったものの立ってられなくて這いつくばっている人がいた。風の合間に眼下には月牙泉が綺麗に見える。反対方向は延々と砂丘が続いている。この辺りの風景は満月の夜が最高と云われている。砂丘とラクダと満月・・・唱歌【月の砂漠】の幻想的なシチュエーションだ。
心配なのかガイドも登ってきた。急傾斜の斜面を降りようとしたらガイドが「傾斜の緩いこちらの斜面から降りてほしい。」という。雪と違ってどのような崩れ方をするのか興味があったのでガイドの勧告を無視して一気に駆け下りた。登りは20分ほど掛かったが下りは2~3分だった。
雪とも違うし、富士山の溶岩の砂とも違う。砂が細かいので砂と一緒にズレ落ちる感覚だ。滑り落ちる砂の上に乗っているとでも云おうか楽チンだった。傾斜が強いと雪崩のような現象が起こるのか?観光客が砂に埋没して死亡なぁーんて・・・さまにならないネ。降りてから水で口をすすいだが何度すすいでもジャリジャリしていた。靴や服も砂がびっしりだ。パウダー状の砂なので少しの隙間でも入ってくる。
それにしてもこの月牙泉は不思議だ。見事な三日月状の小さな湖なのだが深いところで水深5メーター、過去一度も涸れたことがなく砂嵐で埋もれた事もないという。湖の側には楼閣もあり素晴らしい眺めになっている。
夕食は西北料理とかでシシカブなど食べたがエジプトなどと違いクセが無く美味しかった。一度、ホテルに戻り数名で周辺の散策に出かけた。街が小さいので地図はいたって簡単。近くにある商業一条街をブラブラ歩いた。屋台や露天のみやげもの屋さんなどがあり買い物が楽しい。突き当たりには舞台もあり歌や踊りで盛り上がっていた。日没が遅いため深夜まで賑わっているとのことだ。
ホテルに戻りバスタブに浸かった。出てみてビックリだ。バスタブの底に砂が一杯残っていた。今夜も爆睡 (-_-)Z Zz z....
中国西安・蘭州・敦煌 ② ( 5/28 ) [海外旅行2010年]
西安観光、蘭州から敦煌へ 2010-5-28 (金 ) 曇りのち晴れ 3日目
今日も曇っている。ホテルを出て西安咸陽国際空港へ向かう途中、城壁を観光する。明の時代にレンガを積み重ねて造られた西安の街の中心部を囲んでいる。城壁の上に上がって市内を展望するが霧なのか黄砂なのかで視界不良だ。城壁は周囲長さ約14Kmの方形なので先が霞んでいる。レンタサイクルで一周できるようだが疲れそう・・・。
城門では警備兵が訓練していた。女性も混じっていてキビキビとした動きが早朝の風景にぴったりだった。城壁観光後、西安空港に向かう。
西安から蘭州は列車で8時間以上だが飛行機では1時間。個人的には車窓を楽しみたいが西安から600Km・・・中国の広さを実感。蘭州の中川空港から市内までは75Kmほどあるのでバスの車窓から風景を楽しむ。風景といったって赤茶けた丘陵と黄土高原が広がっている単調な風景ばかり。市内に近づくとようやくレンガ工場などが現れた。昼食は名物の牛肉麺と中華だが期待していたほどの味ではない。当然、日本のラーメンが食べたくなった。黄河の鯉の煮物がデーンと出てきたがこれも今一つ。
ボリュームタップリの昼食を終えて蘭州市内を観光する。蘭州は黄河を中心として発展してきた古い街だが人口300万人以上の都会でもある。2~3年前は市内の渋滞は無かったが最近は渋滞が多いという。中国のすざましいモータリゼーションの発展を感ずる。信号が少ないためか交差点ではおまわりさんが交通整理をしている。
黄河を間近に見た。黄河が最初に通過する都市がこの蘭州だ。河幅は狭く荒々しい濁流だ。黄土高原を流れてくるため色は土色で、これぞ黄河と言われる由縁である。黄河第一橋の中山橋を観光後博物館見学。シルクロード文明に関する展示物やマンモスの化石などが展示されていたが興味なし。見学後、蘭州駅へ向かう。
蘭州駅の待合室だ。この待合室は寝台列車の軟臥座席専用の待合室で広くて豪華だ。トイレも一般の待合室とは違い綺麗で快適なのだ。フライトで例えるとファーストクラスかビジネスクラスとなる。乗車してみると日本の古いブルートレインのA寝台と同じで上下2段となっている。コンパートメントになっているのが違いか。
ただ、ベット毎のカーテンは無いし、お世辞にも綺麗とは言えない。それでも横になって寝られるし広いので快適だ。外国の列車の旅は楽しいものだ。トルコでの個室コンパートメントを想い出す。冷えない冷蔵庫と水の出が悪い洗面所が付いていたが・・・。
列車は1時間ほど遅れて18時過ぎに蘭州駅を発車した。終着駅の敦煌まで約14時間半とのこと。中国の列車は外国人に対し監視が厳しい。駅では当然の事ながら手荷物検査があったが、列車内でもパスポートの提示が求められた。市街地を出ると荒涼とした黄土高原や土漠が延々と続くだけ。無味乾燥の車窓だが中国の広大さを思い知らされる。
外は午後9時頃までは明るいので同室の方と支給された弁当を魚に小宴会。飛び入りの女性も混じって23時頃まで楽しい一時を過ごした。ビールは乗車前に売店で買ったが日本円換算で一缶約40円。いつものことながら中国の物価の安さには感動する。中国の旅の醍醐味とも言える。列車には中国の方も沢山乗っているが何故か静かだ。コンパートメントのせいかもしれない。狭いベッドだが適度な揺れが心地良い眠りを誘ってくれた。
中国西安・蘭州・敦煌 ① ( 5/26,27 ) [海外旅行2010年]
北京から西安へ 2010-5-26(水 ) 小雨のち曇り 1日目
あたしの生誕地は中国の遼寧省鞍山だ。といっても中国での幼い頃の記憶はない。引き揚げ者なのだが死んだ両親の話に寄れば残留孤児になって中国で育ったか、もしくは死んだかもしれないとのことだ。生きているだけで儲けものという考え方が根幹にあるのはこのためかもしれない。戦後、なんとか日本に戻れたが途中何度か病気や栄養失調のため生きて帰ったのが不思議と言われたものだ。親しかった中国の方から食べ物をいただいたとも聞いたが、あまり多くは語りたくないようだった。そういう訳であたしのルーツは中国だ。国家としては好きにはなれないが中国人に親近感があるのは当然かも知れない。今回も観光にはあまり興味はないが、内陸部を列車で移動するのは魅力だ。
先月、北京から戻って一ヶ月も経たないのにツアーに参加した。北京・西安・蘭州・敦煌を6日間で移動するツアーだが、添乗員が付かないので安い。
西安で現地ガイドと合流することになる。
飛行機だけでも5回、寝台列車にバス・・・結構、強硬なスケジュールだ。
成田を15時過ぎに出発。中国国際航空だ。ANNやJALと違いサービスが悪い。楽しみにしていたワインのミニボトルも無かったし気のせいか機内食も貧弱だ。どうも食べることになると浅ましいものだ・・・恥ずかしいネ。
北京首都国際空港に到着。まだ記憶に新しい空港なので気が楽だ。スーツケースを受け取り国内線乗り継ぎ手続きをする。
中継時間が2時間もあったので西安に着いたのが23時を過ぎていた。現地ガイドと合流しホテルに24時過ぎに到着。
お腹が空いていたが爆睡・・・(-_-)zzzZZZ
西安観光 2010-5-27(木 ) 小雨のち曇り 2日目
西安は昔、長安と呼ばれシルクロードの起点とも言われている古い街だ。今は人口650万人の大都会だ。ホテルの窓から眺めると高層ビルが建ち並びクレーンも林立し建築ラッシュのようだ。あいにく朝から小雨が降っているし肌寒い。
西安といえば秦始皇兵馬俑博物館となる。30数年前に農民によって偶然発見されたというから驚きだ。
近くに秦始皇陵という中国初の皇帝である秦の始皇帝の陸墓がある。このお墓を守る陪葬物として造られたのがこの兵馬俑なのだ。紀元前200年以上前の陶製の兵士や馬の像だが当時は彩色されていて圧巻・絶景だったと想像できる。発掘時は鮮やかに彩色された状態のものもあるとのことだが、空気に触れると数日で色が失われるらしい。そのためかまだ発掘されていない区域も多数あり、発掘されてもスグに埋め戻されているようだ。
バカデカイ体育館のような建物の中に兵士や馬の像が整然とに並んでいる。兵士の像は身の丈180cmほどあるので圧倒される。布陣された秦軍の偉容を忠実に再現しているということだ。色彩が付いていた当時は想像を絶する光景だったことだろう。
修復中の像もあるし修復されて並べられている像もある。発掘してもバラバラで砕けているので修復に時間が掛かるとのこと。一体、一体表情も豊かだが、首の無い像もあり少し不気味でもある・・・。
発掘されただけでも2000 体以上あるという。皇帝の権力とはなんとすざましいものなんだろう。
世界各地にある人工的な世界遺産には王や皇帝など当時の支配者が建造したものが多数あるが、それにしても費やされた莫大な時間と労力は我々現代人にとっては想像を絶するものである。
昼食後、山の麓の温泉地にある華清池というところに行った。楊貴妃のお気に入りであった温泉で昔の温泉の跡も残っている。楊貴妃の像もあり観光地となっている。足湯に浸かり暫し疲れを癒す。
郊外から西安市内に戻り、大雁塔を観光した。7階建てで最上階からは西安市内を一望できたが、歴史的なことは三蔵法師がホンニャラフニャラということだ。
その後、鐘楼や鼓楼を観光し夕食会場へ・・・。西安名物の色々な種類の餃子を満喫しホテルに戻り爆睡。
中国北京 ③ ( 4/29,30 ) [海外旅行2010年]
北京観光 2010-4-29 (木 ) 晴れ 4日目
今日はフリーの日だ。前日、Tさんとの打ち合わせ通り、8時にホテルを出発。ホテルの前でタクシーを待つが一向に来ない。ドアーボーイが「フロントに頼んで呼んで貰った方が良い。」というのでフロントに頼んだがやはり来ない。暫くしてなんとか乗車できたが20分程のロスタイム。出足を挫かれたが・・・
中国だから許そう。
北京南駅までお願いする。初乗り2Kmまでは10元(280円)、1Kmごとに2元(28円)だから、10Km走っても500円程度だ。北京南駅まで30元でお釣りがきた。タクシーのドアーは勿論、手動。日本と違い助手席に座るのもごく普通なのだ。【空車】の表示もメーターも日本と同じだし、兎に角安いので重宝する。ただ、流しのタクシーを拾うのは難しい。上海と違ってこの北京は台数が少ないのかもしれない。
北京南駅は新しく出来た駅だが飛行場の旅客ターミナルのようだ。待合室というよりホテルのロビーだね。床もピカピカで鏡のように磨かれている。恐れ入りました。
何故北京駅でなく北京南駅かというと天津行きの新幹線は北京南駅始発なのだ。先頭車両は日本と違い鼻が短いし恰好がよい。カーブやトンネルが少ないのでこの形で大丈夫なのかもしれない。中国の新幹線の列車は全て「和諧号」と呼ばれている。上海―北京間の寝台新幹線もだ。意味は「調和が取れている。」ということになるが・・・。
北京―天津間は1時間に4~5本走っている。シャトル新幹線だ。往路は2等(58元)で復路は1等(69元)にした。115Kmで29分間、一等でも日本円にして1000円でお釣りが来る。手荷物チェック後、改札を通りホームへ。中国は鉄道はもとより地下鉄でも手荷物検査があるのだ。
↑ 上の画像の左が1等、右が2等。1等は日本のグリーン車より上質かも。2等は対面式の座席だが真ん中に大きなテーブルもあり快適だ。車内に速度表示板があり、時速は300Km/時以上を表示している。最高速度は350Kmとのこと。
上海―北京の夜間寝台新幹線は1500Kmをなんと10時間ジャストで走っているから驚く。
コンパートメントで日本流ではグリーン寝台ということになり、下段が730元、上段なら655元で1万円でお釣りがくる。各座席にはモニターが付いていて走行距離も長いし日本のブルートレインより魅力的だ。鉄道ファンじゃないが一度乗ってみたいものだ。というよりいつか乗るぞぉーと決めた。
車内で向かいの中国の方に写真を撮って貰ったりしたが、あっという間に天津に着いた。115Kmをノンストップ、29分間で走破はスゲー。さすが鉄道王国だね。日本の技術供与はどうなのか???
天津駅も大きい。駅前の広場も広いし綺麗だ。広場には大きな荷物を持った人達が座り込んでいてローカルな雰囲気だ。周りを見渡せば高層ビルも見える。
切符売り場で帰りの切符を買ったが行列がスゴイ。誰にも割り込まれなかったが騒々しいのなんのって・・・。どこでもそうだが中国語はウルサイ。というより、なんであんなに大声で話すのだろう。でも、あたしの中国語会話の先生は中国人の女性だが、会話は実に耳に心地よい。
広場でウロウロするがタクシー乗り場がどこなのか? 【出租汽車站】の表示があり、乗り場は地下だった。覚束ない中国語を駆使するが通じない時は筆談となる。難しい話をする訳じゃないのでこれで充分。タクシーを並んで待っていたが、ちょっとした隙に後ろの人に先に乗られてしまった。生き馬の目を抜くという感じだね。
タクシーに乗ってからどこへ行くかを相談。結局、運転手さんに2時間で150元(約2000円)払うので何処かへ連れて行って欲しいと頼む。交渉OKとなったので運転手さんもどこへ連れて行こうかなどと考えながら運転していたのかもしれない。
大きな交差点でガシャン・・・。自転車とぶつかった。なんでこんな所に自転車がいるの??? 日本流(中国では車は右側通行)で言えば右折しょうとしたところ右側から自転車が追い抜こうとしたということになり日本では考えられない状況だ。交差点で交通整理をしていたおまわりさんも様子を見にきたが一言二言喋ったあとスグ戻ってしまった。
被害者?は若い男性だが胸を押さえて相当痛がっている。Tさん曰く「あの痛がりようは肋骨がおれているよ。」 運転手が道路脇に被害者を連れて行き話をしているが意味不明。救急車を呼ぶでもなし。どうもタクシーに乗せて病院へ連れて行くようだ。
ということで、あたし達二人はここで放り出された。料金13元(180円ほど)を払った。それにしても運転手さんも被害者も気の毒だ。あたし達を乗っけたために起こった事故なのだ。車内での観光交渉も原因かもしれない。誠にお気の毒としか言いようがない。運が悪いと言えばそれまでだが・・・後味の悪い想い出が残った。
それにしても、ここは何処だろう?太鼓があり、小さな商店街になっている。地図で調べたり、人に聞いたり・・・。天后宮という観光地の側らしい。現在地が解ったので商店街を楽しむことにする。あまり実用的なモノは売ってないようだが、お茶の急須はものすごい数で圧倒された。商店街を抜けると観光地らしくなり、天津民族博物館などもあった。
入館料はタダというので入ったが面白くはなかった。舞台のようなところで民族衣装を着た女性が踊っていて沢山の中国の人が見ていた。
小食堂で昼食を食べたが30元(400円)で8品もあった。美味しかったし量も大満足。この辺りは観光客も見当たらず中国情緒タップリだ。勿論、日本人にも会わなかった。昼食後、大通りに出てタクシーを拾って天津駅へ。運転手は荒っぽい。というより全ての車がそうだが。ただ上海よりましかも・・・。
帰りは一等車で北京南駅へ。乗り心地は素晴らしい。時速300Km以上なのに実に静かだ。北京南駅でウロウロしていたら地下鉄の表示があった。ガイドブックでは4月現在、4号線は建設中になっている。最近、開通したばかりのようだ。
地下鉄はどこまで行っても乗り換えても2元(30円)だ。乗り換えも改札が無いので楽だ。自動販売機でICカードを購入。手荷物検査後、改札へ。日本のスイカのように改札はタッチする。出る時は回収される。Tさんが係の女性にICカードを記念にしたいので欲しいと食い下がったがガンとして拒否された。途中、宣武門駅で2号線に乗り換えて積水潭駅下車。
この辺りは北京の中心部の北西になる。湖もあり旧い街並みが残っているとのこと。観光地から少し離れているのでブラブラと湖沿いに歩くことにする。これといった目的もなく行き当たりバッタリということだ。途中、公衆トイレに入ったがドアーも無いし、仕切もない。便器が並んでいるだけ。これじゃ、出るモノも出ない。ただ、結構綺麗だし臭いもきつくなかった。
大通りから少し入ると旧い家が並んでいる。レトロな感じが漂い、生活が滲み出ている。新幹線や地下鉄も中国、しかしここも中国。国としては国家第一主義なので好きにはなれないが、一般庶民レベルの中国は大好きだし興味深い。建物は旧いしくたびれているが、ゴミは落ちてない。路地裏でも綺麗なものだ。もっとも大通りはリヤカーを引っ張った清掃人があっちこっちでゴミに目を光らしている。国の政策なのだろうか? 以前、大連・瀋陽に行った時は結構汚かった記憶がある。やはり北京と上海は特別なのかもしれない。来月は西安から敦煌方面に行くので観察してみょう。
↓ 途中、公園があった。老人が憩いを求めて集まっている。鳥かごが木の枝にぶら下げられている。鳴き声も聞こえる。画眉鳥のようだ。北京ではごく日常の風景だ。穏やかな光景だが、話声だけはウルサイ。中国人は遺伝子的に声が大きい民族なのかもしれない。これも中国だぁー。
↓ 一時間以上歩いただろうか。ようやく胡同(プートン)地区に着いた。観光用の人力車が走っている。乗っているのは殆どが欧米人なのだ。四合院で有名な地域で欧米人に好まれるようだ。観光も充分堪能したので大通りに出てタクシーを拾うことにしたが全く拾えない。道を尋ねたおばさんが言うには「82番のバスが王府井方面に行くよ。」と教えてくれたが不安なので最寄りの地下鉄の駅まで歩くことにした。
20分ほど歩くと2号線の鼓楼大街駅に着いたが、道中は結構面白かった。
地下鉄に乗り吊り輪を手にした時、前の座席の若い女性が二人、さっと立ち上がり席を譲ってくれた。生まれて初めての経験だった。あたしは白髪頭、Tさんは少し禿げている。周りを見渡してもみんな若い人達ばっかりだ。中国の定年は55歳なのであたしたち二人は目立つようだ。丁度、通勤帰りの時間だから老人は乗っていない。上海でも感じたことだが日本と違い老人を大切にしてくれる国だ。歩き疲れていたので哀れな老人に見えたのかもしれない。ありがたかったが少しガックリだ。
建国門駅で1号線に乗り換え王府井駅に到着。有名な“全聚徳”で中華料理を堪能する。二人でビールを3~4本飲み、お腹一杯食べても一人200元(2800円)ほどだった。日本感覚では安いが中国感覚では大変高い。中国感覚は地下鉄何処まで乗っても、何度乗り換えても約30円となるのだ。疲れていたので早めに切り上げホテルに戻り爆睡 (-_-)Z Zz z....
北京観光 2010-4-30 (金 ) 晴れ 5日目
今日は帰国日だ。北京も充分堪能し大満足だ。昨日の天津と北京の散策は楽しかった。Tさんにも色々とお世話になりありがとうございました。
朝5時40分ホテルを出発する。今日はメーデーの前日なので空港は大混雑だ。飛行機も30分以上遅れて離陸。無事、日本着。感謝、感謝だ。
なるほど北京は政治の中心、上海は経済の中心。まさに実感した。秋には北京から寝台新幹線で上海に行き万博見物をしてみたい。日本で寝台新幹線の切符を予約できるのだろうか?格安航空券と安いホテル等いろいろと調べなくっちゃネ。夢物語に終わるかもしれないが・・・。
もう少し若ければリュックサック担いでドミトリーなんかに泊まって旅行するのだが、この歳じゃキツイし哀れに見えるのでパス。なんせ、北京の地下鉄では席を譲られたのだから・・・
少しショック。 (Θ oΘ ;)
中国北京 ② ( 4/28 ) [海外旅行2010年]
北京観光 2010-4-28 (水 ) 晴れ 3日目
今日は北京市内の散策だ。朝、7時過ぎにホテルを出発する。行き先は天壇公園だ。公園はまだ8時前なのにお年寄りで一杯だ。太極拳や剣の舞踊、ダンス、羽蹴り、中国の碁や将棋のようなもの、カードゲーム、その他いろいろとやっている。大きな公園は有料のようだが65歳以上は無料とか・・・。兎に角、老人が一杯集まってなんだかんだと騒々しい。
なんとパワーフルな人達だと感服する。公園は老人の健康にかかせないものであり遊戯具も老人のための健康器具らしい。
天壇は昔の皇帝が豊作を祈って祭祀を行った場所で今は大きな公園になっている。天壇公園の奥にある祈年殿だ。三層で円形の立派な木造建築だ。歴史的にはホンニャラフニャラ・・・。それにしても緑豊かな大きな公園だ。勿論、ここも世界文化遺産に登録されている。北京市内の中心部にあり北京の人達には憩いの場所となっているようだ。
天壇の観光を終わり、ツアー恒例のお茶屋さんで休憩。そういえば昨日もツアー恒例のシルク店に寄ったっけ。でも、おみやげ屋さんに連れていかれるのも悪くは無い。買う意志は全くないがお茶を飲んでトイレに行ってゆっくり休憩できるのでありがたい。休憩後、先農壇の中にある北京古代建築博物館によったが、ほとんど失念したので省略。
北京の中心部より少し離れるとまだまだのんびりしていて風情がある。タイで見たトゥクトゥクのような三輪バイクも多い。チェーンを弛ませた三輪自転車も面白い。上海と比べると道路が広いためか渋滞も少なそうだ。
↑ 昼食後、王府井を歩く。歩行者天国になっていて上海の南京東路と同じような場所だ。日本の銀座のような場所とも言える。ホテルもスグ近くなので明日にもう一度来てみょう。
午後からは故宮(昔の紫禁城)の観光だ。この故宮から天安門広場にかけての観光が当ツアーのメインイベントとなる。コースは神武門から入って午門を通って天安門方面に至る。北から南へと辿ることになり歩き疲れそうだ。明や清の時代に皇帝や皇后、その一族が暮らしたというが兎に角広大だ。建造物も沢山あり一日ではとても散策出来るモノではないし、また面白いモノでもない。
↓ 珍宝館に入り宝物を見たが台湾の故宮と比べると見怠りするように感じる。一説では一級品は蒋介石が全て台湾に持ち去ったとか・・・。
沢山の宝物も見飽きた。一品毎に『何でも鑑定団』のように推定価格が掲示されているともっと楽しめるのだが・・・そんなことはあり得ないがネ。建物から出るとスゲー壁があった。 ↑ 九匹の龍が描かれていて九龍壁と呼ばれているが見事なものだ。中国では九が縁起の良い数字のようだ。
↑ 保和殿に巨大な一枚岩があり龍が全面に彫られている。これも見事なもので圧巻だ。何処を見ても珍しい貴重なモノばかりで目疲れする。
この故宮(紫禁城)は明から清の時代に建造されたものだが万里の長城と同じく皇帝の絶大な権力の象徴となっている。周りはお濠と高さ10メーターの城壁が囲んでいて昔は別世界だったことだろう。映画ラストエンペラーの世界だネ。中国は昔も今もスケールが大きい。また、その壮大さが魅力なのだろう。日本と比べると人口は10倍、国土の面積は25倍だもんネェー。
↓ 故宮の正面口にようやく辿り着いた。疲れたなぁー。午門を潜り真っ直ぐ天安門に向かう。
↑ 天安門を振り返る。テレビのニュースや写真でよく目にする風景だ。毛沢東の大きな写真と中国の国旗。これぞまさしく中国だ。
↑ 天安門の右に見える建物が私達が泊まっている北京飯店だ。地の利は最高のホテルだが・・・。
天安門の前にはバカッ広い道路が走っている。その向こうにはあの有名な天安門事件や文化大革命で名を馳せた天安門広場がある。広い地下道を通って容易に天安門広場に到着。ホゲー、バカッ広い広場だ。これを本当の広場というのかと感心する。公安の車が目に付く。故宮を含めたこの界隈は国家的にも最重要なエリアのため警戒が厳しい。日本の国会議事堂にあたるのか、人民大会堂の建物には赤い国旗がズラーっと掲揚されている。ここに佇んでいると正に中国そのものを感じる。
歩き疲れたところで今日の観光も終わり。夕食に北京ダックをいただく。北京で毎日食べられる家鴨はなんと一日4万羽とのこと。日本ではパリッとした皮だけを食べたと思ったがこの北京では肉も一緒に食べる。パリッとした触感は無いがこれはこれで大変美味しい。上海では皮だけが出てきたと思ったが・・・。家鴨にはなんとも気の毒な話だ。合掌。
夜、王府井辺りをブラつこうと思っていたが今日の観光で疲れてしまった。明日はフリーの日だがTさんと早朝から天津に行く予定なのでホテルでゆっくりすることにした。
中国北京 ① ( 4/26,27 ) [海外旅行2010年]
北京観光 2010-4-26(月 ) 晴れ 1日目
先月、上海に行った時、今度は政治の中心である北京に行かなければ・・・と思っていた。添乗員は付かないが現地ガイドが付く5日間のツアーがあったので参加した。フリー日もあるし、北京からの移動もないので疲れも少ないと考えた。成田を夕方発ったので北京のホテルに夜9時過ぎに着いた。一人参加はあたしと同年配のTさんの二人だけで他は全て御夫婦で参加のようだ。勿論、それなりに歳を経てきた人ばかりで若い方はいない。
滞在ホテルは昔から有名な北京飯店なので楽しみにしていたが期待を大きく裏切られた。部屋も朝食のバイキングも団体ツアー用の設定だから、まぁー仕方がないことかもしれない。ならばパンフレットに『憧れの北京飯店4連泊』なぁーんて書くな・・・。
しかし、北京でも最高の場所に建てられているのは嬉しい。
ただ、どんなに素晴らしいホテルであっても一人で泊まるのは侘びしいものだ。
北京観光 2010-4-27(火 ) 晴れ 2日目
早朝、現地のガイドさんが迎えにきてくれたので出発。中型バスで乗り心地は今一つ良くないが、総勢18名なのでゆったりできる。
北京の中心部は上海と違って超高層ビルは少ない。でも兎に角広いのだ。30階建て以上の建物が3千以上あるという。道路も片側5~6車線あり、一直線に真っ直ぐ延びている。昔と違って自転車は少なくなっているとのこと。車の数が凄い。バスも超ロングだ。上海でもそうだが、この北京でも軽自動車が見あたらない。全てメンツの国だから当然のことかも。
ガイドさんも宣う。ホテルの駐車場に停めてある黒塗りの高級車を指さして、「ホレー、これが私の車だよ。日本円で1千万円するんだよ。」 唖然としたネー。あたしが乗っている車の査定は30万円だもんね。面子は見栄なのかプライドなのか、そんな単純なものではないようだ。マナーにしても、メンツにしても興味津々の国民性なのだ。
まず最初の観光地は頤和園だ。世界文化遺産で皇帝とその一族の庭園だったところだ。大きな湖もあり風光明媚で、皇帝の権威の片鱗を感じる。それにしても寒い。日本と同じで今年の春は寒暖の差が激しいとのことだ。
↑ オリンピック会場の鳥の巣と、会場の側に建っている七つ星ホテルだ。鳥の巣は2年前テレビで見たよりも小さく、意外に感じた。それにしても奇抜な外観の七つ星ホテルだね。あたしにとっては全く無縁のホテルだからとやかく言うこともない。
バスは一路北京郊外へ。一時間ほど走ると明十三稜に到着。山も迫り自然環境も良いところだが黄砂のため霞んでいる。
ここは明時代の13人の皇帝の陸墓があり世界文化遺産に登録されている場所だ。
地下にお墓があったり、動物の石像などもあり、十三稜博物館には纏足の靴などの埋葬品も展示されていて面白かった。
↑ 有名な観光地には物売りのおばさんがいる。大体はおばさんだが、試食もさせてくれるし、ひつこくはない。市内に戻り昼食後万里の長城に向かう。高速道路があるので1時間ほどで到着する。発達嶺長城と呼ばれている長城だ。北京近郊にはいくつか観光のできる長城があるが、この発達嶺長城は観光地として良く整備され交通の便も良く風景もグッドということだ。
歩いてみると傾斜がきつく結構な運動になる。全長9000Km、総延長距離はなんと5万Kmを超えるとか・・・。観光客で混雑している。大半が中国の方だそうだ。昔の日本と同じで田舎の農村から首都北京とその周辺を観光する団体とのこと。高度成長期、東京見物に来る日本の農協団体ツアーを想い出す。風は強いが天気も良く1時間ほど散策した。標高が1000mほどあるので少し寒い。冬なら完全防寒が必要だろう。
万里の長城は初めて見たピラミッドほどの感激はなかったが、紀元前の秦の時代から明の時代まで約2000年に亘り建造され続けたことには驚きだ。あたしのような単純な頭では昔の人はスゴイなぁーと思うだけ。
万里の長城を後にして北京市内へ戻る。夕食は火鍋だ。中国語ではホーゴと言われているが日本のしゅぶしゃぶに近い。羊の肉が主体で野菜やいろいろな種類の麺も食べる。ツアー客用のレストランのためか日本的な味ですこぶる旨かった。
夕食後、一度は見ておきたかったのでオプションで雑伎観賞をした。まぁー、サーカスのようなもので一度見れば充分と思われるが・・・。
疲れたのでホテルに戻って爆睡。 (-_-)zzzZZZ
中国上海観光 2010-3-2 (火) 曇り [海外旅行2010年]
今週は仕事の関係で上海に行った。半日だけ時間が余ったので観光となった。茂名南路にある日系のホテルを出たのが午後3時過ぎだった。
今にも降り出しそうなお天気だ。ホテルの2階にあるJTBラウンジで半日観光を手配してもらった。美人ガイドと運転手付きなのだ。
まずは黄浦江を地下の隧道でくぐり抜け浦東新区へ。上海のシンボルでもある東方明珠塔を下から見上げる。デッカイし迫力満点のテレビ塔だ。高さ468メーターだから東京タワーより高いのだが、兎に角、形がユニークだ。地球儀の形をした国際会議場もあり面白い。
日本の森ビルが建てた上海環球中心という492メーターの超高層ビルもある。上部は雲に覆われていて見えないが100階に世界一の高さとなる展望台もある。20年前、この辺りは湿地帯だったとの事。現在は超高層ビルが林立する国際的な金融街となっている。画一的な東京のビルと違い、色々なデザインは見ていて楽しいし、そのスケール感には圧倒される。黄浦江沿いには公園もあり、道路も広い。実に気持ちの良い場所だ。上海ドリーム・・・夢とチャンスを感じさせられる。
黄浦江の対岸は外灘だ。この浦東新区から見た歴史的な建物が並ぶ外灘のライトアップされた夜景、また逆に外灘から見たこの浦東新区のライトアップされた夜景も絶景ということだが今回は時間が無い。残念だが次回の楽しみとしておこう。といっても、もともと夜景なぁーんてものは男女のカップルで見たほうがエエのに決まっているものだが・・・。
↑黄浦江の地下隧道を通り10分程車で走ると豫園に到着。まさにこれぞ中国という建物がズラリと並んでいる。日本で言えば浅草という感じだね。春節のお飾りがまだ残っているため赤色を主としてカラフルなことこの上ない。中国のイメージそのままの場所なのに STARBUKS COFFEE があり不思議だが充分中国を楽しませてくれる場所だ。
↑横道に入ると道も狭くおみやげ屋さんのような小さなお店がズラーッと並んでいる。骨董屋さんなどもたくさんあるようなので次回には是非散策してみたい。夕方なのに、人、人、人・・・で大混雑だ。有名な観光スポットだが地元の人達にも人気があるということだ。小籠包で有名な南翔饅頭店にはたくさんの地元の人達が並んでいる。今度、機会があれば是非食べてみたい。頭の少し捻れた所を少し噛みきり中身をチュチューと吸うと旨い肉汁がジュワー・・・涎が出そう。
この店の裏側にある池には九曲橋が架かっていて途中に有名な茶館の湖心亭が建っている。茶館にも一度入ってみたいと思っていたが今回は時間の都合で見送りだ。日本の喫茶店と同じでコーヒーの代わりにお茶になるだけ。ポットにお湯を入れれば何杯かは飲めそうだ。色んな種類のお茶があり老舗では日本の喫茶店より高いという。中国はお茶に贅沢な国というのも頷ける。
九曲橋をジグザグに渡り終えたところに豫園の入り口がある。夕方のため薄暗かったが入園し駆け足で園内を観光することになった。園内はライトアップもなく人影もまばらで暗くて薄気味悪い。コートをホテルに忘れてきたので寒くって鼻水たらしての見学となった。
昔は明の時代の誰かの私邸ということらしい。園内には見事な建物や巨石もあり見るだけでも楽しい。歴史のホンニャラフニャラは美人ガイドさんが一生懸命説明してくれたので一応聞いていたのだが全く記憶に残ってない。まぁー、いつものことだが・・・。
園内の見所はたくさんある。もう少し明るい内に入園しているともっと楽しめたことだろう。シャチホコのような龍や獅子像、鹿や蛙の像、また妖怪のような狛犬みたいなモノもいる。お堂や楼閣もたくさんあったが中が暗くて良く見えなかった。
建物の欄干には細かい彫刻が刻まれ見ていて飽きない。園内は2万㎡以上もあるのでじっくりと見学すると半日はかかりそうだ。残念だが時間が限られているので早々に見学を終え外に出る。辺りは暗くなっていて提灯に明かりが点っていた。
豫園を後にして南京路へ。車で10分ほどだ。外灘(バンド)の裏手にある繁華街で新宿、渋谷のようなところだ。歩行者天国になっていて多く人がブラブラ歩いている。観光客用の小さな電気トロッコが繋がったようなものがゆっくり走っている。ネオンも多くカラフルな光景だ。デパートに入ってみたが高級品が多く商品の価格は日本と変わらない。ちょっと横に入ると刃物屋さんや筆屋さんなどもあり面白い。レストラン、ホテル、飲み屋、マッサージ等なんでもありの繁華街のようだ。上海の裕福さを感じる場所だ。
夜になったので観光も終わり。ホテルに帰る途中、新天地に寄った。
レトロ感満点のエリアだね。旧フランス租界当時から残っている建物が洒落たレストランになっている。高級クラブ、バーやカフェなども多くおしゃれな大人の遊び場といえる。欧米人も多い。清潔で綺麗な印象をうけるが高級感が漂うため値段も高そう。夜遊びには最高のエリアだそうだ。
日本では銀座、青山、六本木・・・。
ガイドさんが新天地の中央にある共産党第一回大会が開かれた「一大会址」に案内してくれたが中国の歴史や、昔の上海を想起させられる場所だ。ここから車で10分も走ればホテルに到着した。
上海の中心部は意外と狭いと感じたものだ。
上海の駆け足観光をしたがいつか時間をかけてゆっくりと散策してみたい。5月の万博が近いせいか道路にはタバコの吸い殻一つも落ちてないし、公共の場所は殆どが禁煙となっているようだ。中国語ももう少し上手く話せるようになれば独りで散策に来てみたい。
夜的上海和美人再見.我想再去那里・・・。