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傘寿も過ぎ気力・体力不足に悩む日々。旅もスキーも年貢の納め時かも。まだ少し残っている知力・気力・体力を使い何をしょうか?

藤坂ロックガーデン 2009-12-10 (木 ) 晴れ [山行記録2009年]


 今日は久し振りの岩登りの練習だ。風もなく暖かく良いお天気だ。勿論、平日だからあたし達4名以外はだぁーれもいない。今日の予定はレスキューの練習を最初に行いその後岩登りの練習だ。レスキューと言っても様々なシチュエーションがあり素人の我々が全てをマスターするのは無理。そんなことより事故を起こさないよう登ることだとなる。しかし不幸にも事故が発生した場合、パートナーは最低限の対応もできないようではクライミングをする資格は無い。

 今日の状況設定はシングルロープでの登攀中、セカンドが落石等で行動不可能になったと想定。セカンドレスキューはダブルロープの場合、テンションの掛かってないほうのロープを利用すれば比較的楽に懸垂下降で事故者を降ろせるがシングルロープではテンションが掛かっているロープを利用するので少し複雑なロープワークとなる。講師は勿論 Aaa さんです。

P1040144.jpg

 以下の文書は全文 Aaa さんよりいただいたメールのままです。非常に解りやすいのでご本人の了解を得て掲載しました。(少し内容を変えたところがありますが・・・)

【課題】
 「自分がトップで登り、終了点でセカンドのビレイをはじめたが、生憎、セカンドが落石を受け大怪我を負う。すぐにセカンドのところまで懸垂下降して行き、セカンドを支えながら同時懸垂下降で下のテラスまで下りて、救助する。

【条件】
 二人だけで、シングルロープ1本でマルチピッチ中の事故対応
 周辺に他のパーティは居ない

【使用道具】
 環ビナ付きヌンチャク 1本
 環ビナ(手動式、大型)3枚以上
スリング(7ミリ50cm、芯詰め)2本

【概要】
 シングルロープ1本だけで、テンションしているロープ、それに別支点に懸垂支点を作りビレイ器を解除し、今度は、そのビレイ器を使用し自分がセカンドの怪我人まで懸垂下降して行きます。怪我人と合流したら、スリングで同時下降のセットをしてテラスまで下降する。
この時、救助者は怪我人の上側になるか、それとも下側になるか、みなさんと考えました。
怪我人を腰に手を回して支えながら懸垂下降する場合は、ちょっと下がいいし、いつでも背負う気持ちで伴走するのであれば、上がいいような、、、、

【作業の流れ】

① セカンドが落石により墜落し怪我のため行動不能。ビレイ器(ATC-ガイド)が自動的にロープを止めてテンションが強く掛かっている。

② 別支点を作って環ビナ2枚をゲートを逆向きにセットし、ビレイ器のテンション側ではないルーズのロープを、環ビナに通しておく。ロープとの摩擦が強いので必ず環ビナを使用する。【懸垂下降用の支点の構築】

③ テンションのかかっているロープに、スリングでマッシャー結びをビレイ器の下側につくり、それを別支点からヌンチャクなどで伸ばして繋ぐ。 【ストッパーを作ってビレイ器解除の構築】

④ ロープはビレイ器から②で作った支点を通ってルーズになっている方の約1mのところに環ビナにクローブヒッチ(インクノット、マスト結びとも言う)でバックアップを取る。そして、自分(救助する者)のハーネスに繋がったロープを解く。ここでは、予めセルフビレイはデージーチェインで別支点に繋いでおく。【ビレイ器解除の準備】

⑤ ロープのロックしたビレイ器をカラビナなどを解除ようの小穴に引っ掛け、思い切り角度を下向きにするとロープは、③で作ったマッシャー結びにテンションが移るので、ビレイ器とそれの支点類のスリングを回収する。ロックが解除されない場合はスリングを利用し自分の体重で解除する。【ビレイ器の解除】

⑥ 回収したビレイ器を、今度は環ビナ付きヌンチャクで自分のハーネスの懸垂器としてセットする。ルーズ側のロープをビレイ器に通して、その下側にバックアップとしてスリングでマッシャー結びに環ビナでセット、レッグループに付ける。【懸垂下降の準備】

 この状態で、②で作った懸垂支点(2枚の環ビナ)を通してルーズ側のロープに自分が懸垂用のビレイ器とスリングでバックアップが出来、その下側にはクローブヒッチで支点に取ってある形。なお、もう一方はマッシャー結びが支点になった状態で荷重がかかったままセカンドに繋がっている状態。この状態では、マッシャーが支点になった状態で、まだ懸垂支点の2枚の環ビナにテンションは移動していない。

⑦ ここで、バックアップ用のクローブヒッチの解除、セルフビレイのデージーチェインの解除をしておきます。怪我人のテンションが掛かっているロープに結ばれたマッシャーを支点から解除して、環ビナ2枚の方へテンションを移動させるため、自分をビレイ器に体重をかけて懸垂下降させると、そのマッシャーがフりーなる。ここでマッシャー結をび解除しスリングなど回収する。【支点の移動】

 ここでの要領は、セカンドの荷重のかかった方のロープをヤジロベーのように反対側に繋がった自分をロープにぶら下がることで、スリングから環ビナを支点に架け替えることが出来ることです。そして、その段階で、マッシャー結びのスリングがフりーになるので回収が出来ます。

⑧ ここからは、懸垂下降して、セカンドまで下りて行きます。この時、事前に相手側のロープにヌンチャクなどをかけて自分のハーネスに繋げておくと離れないのでいいです。【セカンドまで下降して接近】

⑨ 合流したらセカンドのハーネスのビレイループと自分のハーネスとをデージーチェインで繋ぎ、次にセカンド側のロープにスリングを巻いてマッシャー結びを作り、それを自分のハーネスに付ける。ヤジロベー状態での下降を同時下降へ切り替える。【同時下降の構築】

⑩ これで、一緒に懸垂下降できることになります。
(ここまで Aaa さんの文書です)

 問題としては⑦で怪我をしているセカンドの体重が自分より相当重い場合(例えば男性と女性)、テンションが掛かっているロープのマッシャー結びされたスリングをフリーにできるのか? また、⑧の場合にもヤジロベー状態で体重差をカバーしてセカンドまで下降できるのか? 下降できたとしても下のテラスまでロープが足らなかったら?
 
 まあー、支点として環ビナ2枚がゲートを逆向きにセットされているため滑りが良く支点まで戻るのは容易と思われるが、怪我をしているセカンドは当初より下の位置に移動してブラ下がることになる。 (ーιー ;;; 

 今回は安全で傾斜も緩いところで行ったため、ロープワークの練習にはなったが実践的ではなかった。実際に垂壁の途中で検証すれば問題点がはっきりとすることと思う。

 勿論、安全やロープ操作の観点からもアルパインクライミングではダブルロープが望ましい。運悪くセカンドレスキューが必要になった時にも振り分け救助で懸垂下降ができる。これも机上のロープワークは簡単だけれど現場で検証となると問題が山積か? 実際の問題となるとセカンドのテンションの掛かったロープを切るために常時ナイフが必携となる。
次回は「懸垂下降時におけるロープの連結部の通過」「リーダーレスキュー」なども実践的な必要を感じるので検証してみたいものだ。

P1040149.jpgP1040154.jpg

 午後はいつものように楽しく岩登り。あっという間に日没間際になり終了する。冬至が近いし冬の日は短い。楽しい初冬の一日、これも人生。



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山子路爺

こんばんは。
難しい~、と言うかわからないことだらけ。
自分にはムリだと思う。

ブログ訪問有り難うございました。来年も宜しくお願いします。
それでは良いお年を。
by 山子路爺 (2009-12-30 23:44) 

官兵衛

電気製品の取説と同じですね。文書が一番解りにくい。写真も今一つです。やはり図解が一番解りやすい。多分、書いた本人しか解らないのかもしれない。

こちらこそブログへのご訪問ありがとうございました。
良いお年をお迎え下さい。
by 官兵衛 (2009-12-31 20:42) 

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