SSブログ

傘寿も過ぎ気力・体力不足に悩む日々。旅もスキーも年貢の納め時かも。まだ少し残っている知力・気力・体力を使い何をしょうか?

阿弥陀岳南稜(2/2) 2009-10-9 (金 ) 晴れ [山行記録2009年]


P1030681.jpg P3の基部から踏み跡を左に辿るが取り付き点が良く解らない。急な草付きを斜め下に下降しルンゼを渡ってしまった。奥壁の基部のようだ。急峻な草付きでカモシカが一頭こちらを見ている。「バカな人間がいるもんだ。ルート間違ってるぅぅ~。」なぁーんて言ってるように見えた。踏み跡も消えてしまい、ヤバそうな草付きになってきたので引きすことにした。

 戻りながら上を見上げるがどのルンゼもガリーも陰惨で登れそうにない。下降し始めた辺りまで戻ると壁にボルトとワイヤーが見えた。ここがネットで調べておいた取り付きのトラバース地点らしい。そこまで戻るのも面倒なので左の壁から登る事にする。ひろ丸さん先行で取り付き、難なくトラバース地点上部でルンゼに入る。

 傾斜はあったがホールド、スタンスが多いので問題なし。ルンゼの中央は濡れていて、ところどころ凍っているので主に左の壁にルートを採る。アバウトで50~60 ㍍あったかもしれないが快適なクライミングを楽しんだ。ネットではフィックスがあると書いてあったがフイックスどころか支点すらなかった。綺麗に取り払われていて気持ちが良い。途中、真新しいボルトのようなものが一本打ち込まれていたがグラグしていて抜けそうだった。

 雪や氷が無い限りロープは不要と思うがハイキング気分という訳にはいかない。但し、浮き石、落石は要注意。ルンゼ上部からは急峻な草付き混じりになりやがて踏み跡も出てきて終了。高距離があるのでスゴク面白かった。

RIMG3679.jpgRIMG3683.jpg
(↓↑ ひろ丸さん御提供)
RIMG3682.jpg

 濡れた手袋でデジカメを操作したためショートしたのかここからの画像が全て記録されてない。ガックリだ。このページの画像は全てひろ丸さんからの御提供です。ありがとうございました。あたしよりはるかに上手だし、なんと言っても構図がエエ。

MEMO0022.jpg

 写真が見つかったので再度アップする。 ↑ P3ルンゼ取り付き点。
↓ はP3ルンゼの上部を登るひろ丸さん。

MEMO0023.jpgMEMO0041.jpg

RIMG3687.jpg

↑ 奥壁の上部。

RIMG3688.jpg

↑ P3を抜け狭い稜線を辿ると眼前にP4が迫ってくる。これを超えると頂上だ。

RIMG3690.jpg

RIMG3695.jpg ↑ 右側には赤岳、中岳、横岳、展望荘まで良く見える。また、中岳から阿弥陀岳の登山道に登山者も見え素晴らしい景観だ。
← P4の基部に到着。踏み跡通り左に巻いていくと傾斜の緩いルンゼがあった。核心部のP3も終わったのでルンルン気分だ。岩も乾いているしホールド、スタンスも充分、というより傾斜が緩いので階段のようだ。

 ルンゼを登り切り急なガレ場を登ると緩やかな草付きが広がっている。
適当に登っていくとヒョコリと頂上に出た―12:45。

RIMG3696.jpg

RIMG3702.jpg 登山口から約5時間半。天気が良くて景色を楽しみながらだからこんなものだろう。山頂は我々二人だけだった。もっとも舟山十字路からここまで誰にも会わなかった。多分、帰路の中央稜でも誰にも会わないだろう。阿弥陀岳は赤岳と違ってマイナーな山だが反面静かな山行が楽しめる。今日は台風の翌日だし平日だから当たり前かも。

 ガスの切れ間に赤岳を中心とした山容が絶景だ。一般道と違い、登った達成感が大きい。  I maid it!

RIMG3710.jpgRIMG3713.jpg

 30分以上の大休憩後、名残惜しいが下山開始。摩利支天の岩峰を過ぎ、中央稜と御小屋尾根の分岐へ。ここから見る景観はいつ見ても圧巻だ。

RIMG3714.jpg

RIMG3718.jpg

 ↑ 中央稜だ。下降地点は標識を過ぎ少し行った辺りから右ハイマツの中に付いている踏み跡を辿り左から降りる。降り口は少しクライムダウンになるので積雪期は少し怖そうだ。

RIMG3720.jpg

RIMG3722.jpg ↑ 少し下降した地点から見上げた中央稜のテッペン。冬は急峻な雪壁だろう。
この中央稜の上部は兎に角傾斜が強い。
ハイマツの中を下るから危険は感じないが・・・。

 滑らないようにハイマツを掴んで下っていくとやがて上部岩壁の上にでる。踏み跡は右から巻いている。

 巻き終わった辺りから踏み跡がところどころで不明瞭になるが稜線を外さないよう下降する。こんな時二人の場合、気が楽だ。単独なら心細く不安になる状況だネ。

RIMG3726.jpg  ← まもなく下部岩壁の上部に到着。
ここは左から巻いて下降するが一部、踏み跡が不明瞭だ。この画像の辺りだったと思うが、踏み跡か獣道が下に向けて降りているが実際は岩の基部をトラバースするのが正解だったようだ。この辺りは傾斜が強く踏み跡も判別し難い。鹿やカモシカの糞が一杯落ちているので獣道も交錯しているようだ。

 下部岩壁を通過すると傾斜も緩まり、稜線を外れないように気を付けるだけだ。踏み跡に落ち葉が堆積し少し解りづらいがフカフカしていて気持ちよく歩ける。最後の急斜面を下降すると広河原沢右俣に到着。対岸をに渡り左岸の踏み跡を少し辿るとこの辺りが二俣のはず。左岸をどんどん下って行き、大きな堰堤を過ぎた辺りから踏み跡は右岸に渡る。暫くすると踏み跡も広くなりやがて林道になった。今朝通った南稜への分岐点を過ぎ舟山十字路到着―16:35。

 静かな山行ができ、感謝、感謝。ひろ丸さん、ありがとうございました。だだ、中央稜下降時、ガスのため南稜方向が全く見えなかったことだけが残念だった。今日は二人だったのでルートファィンティングが楽だったし心細さや不安も感じなかった。冬のルートも想像しながら歩いたが、南稜はやはりP3のルンゼ、中央稜は下部岩壁辺りと最上部が核心部になりそうだ。いずれにしろあたしの場合、単独は自殺行為のため誰か連れて行ってくれないかなぁー。



ポチットオネガイ

旅行・観光(全般) ブログランキングへ

nice!(3)  コメント(2) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 3

コメント 2

trekkeng

楽しく読ませていただきました。八ヶ岳初心者の僕にはもう少し
先になりそうですが、南稜楽しそうですね。行きたいルートの
リストに載せておきます。
by trekkeng (2009-10-15 21:58) 

マエちゃん

trekkeng さんへ
少し山慣れた人なら中央稜を登りに使うと静かな山行を楽しめますよ。
登りならルートも外し難いし、滑落の危険も無く安全かと思います。
鹿やカモシカに会うチャンスも多いでしょう。
阿弥陀岳を目指す時は、是非トライしてくださいネ。
by マエちゃん (2009-10-16 09:36) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。