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傘寿も過ぎ気力・体力不足に悩む日々。旅もスキーも年貢の納め時かも。まだ少し残っている知力・気力・体力を使い何をしょうか?

表妙義山縦走 2009-11-7 (土 ) 晴れ [山行記録2009年]


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 上信越道の車窓からいつも見ている妙義山。標高も低いしアクセスも容易だが、岩峰が林立する稜線を眺めると一人で行くのは少し気分が重くなる。
ネットで調べると西穂~奥穂間より悪いとかホンニャラ・フニャラ・・・。
当初、一人で行く予定だったが運良く妙義の達人、koku さんに同行していただけることになった。

 お天気も数日前と打って変わって風もなく暖かい。甘楽PAで落ち合って下仁田ICから中之岳神社駐車場へ。上の立派な駐車場は夜になればゲートが閉まるようなので、下の舗装されてない駐車場に一台デポする。金鶏山の麓を回り込み妙義神社駐車場へ向かうが車窓から眺める奇岩、奇景に目を見張る。妙義神社直下の道の駅から少し離れた駐車場に駐車する。

 装備はkoku さん持参の30m補助ロープ、個人装備としてスリング、カラビナ少々。ヘルメットの代わりに毛糸の帽子。小さな落石なら普通の帽子より毛糸のほうが痛くない。大きな落石ならどちらも昇天となります。
妙義神社出発―6:20。

 本日のコース予定は妙義神社駐車場―大の字―奥ノ院―天狗岳―タルワキ沢のコル―相馬岳―茨尾根のピーク―女坂分岐―タカモドシ―東岳―中之岳―主稜のコル(西岳往復)―中之岳神社駐車場。水平距離は幾らもないがアップダウンの連続はキツそうだ。

P1030927.jpg 妙義神社の境内を抜け鬱蒼とした杉林の中の急斜面を登る。この辺りは、夜歩くと怖そぉーだ。鎖場もあったが、やがて大の字との分岐に到着。鉄板を切り抜き白くペイントされたデッカイ『大』の字が岩峰の上に祀ってある。ここからの展望はなかなかのものだ。出発点の駐車場や上信越道も俯瞰出来るが榛名山の方向は霞んでいる。


 今日は10月の陽気のため視界が今一つというところだ。大の字の岩峰を降りて登山道を辿ると『辻』というところだ。左が中間道、右が奥の院と書かれた標識がある。やがて大きなチョックストーンが詰まった奥の院に着いた。石の階段を登り洞窟の中を覗いてみたが石仏のようなものがあり薄気味悪かった。右壁にルートが付けられていて連続した鎖場を過ぎると稜線の『見晴らし』と云うところに出た。

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 前方には切り立った天狗岳、右は裏妙義、その向こうに山頂部分が少し冠雪している浅間山と絶景だ。西方向へと踏み跡を辿るが、途中判読しがたい標識や祠のようなものがあった。ネットで調べたヒビリ台や玉石とかいう岩峰はどれがとれか解らなかった。また、白雲山山頂の標識も気が付かなかった。この表妙義は茨尾根を挟み東側一帯を白雲山、西側を金洞山と呼ばれているようだ。

 痩せた岩稜を辿るが小さな岩峰を登ったり下ったり、時には巻いたりと結構キツ~~~イ。今日はお天気は上々だが暑くて堪らん。大汗かきながら天狗岳手前の小ピークに到着。石碑のようなものがあるので『大のぞき』のようだ。

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 ここから天狗岳とのコルに下るが長い鎖があった。初めての下りの鎖場かもしれない。ここまでは極力鎖を使わずにクライミングを楽しんできたがここからは積極的に鎖を使い時間短縮ということでパートナーとも意見が合致。


 一気に滑り降りたところがキレット状になっていた。雑木林の中を喘ぎながら急登すると天狗岳に到着―9:00。

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 天狗岳山頂は葉っぱが落ちているため多少の展望はあるが木立に囲まれた変哲もない頂上だ。ここから急斜面を北側に巻くように下降すればタルワキ沢のコルに到着。コルからひと登りすると相馬岳山頂到着―9:35。

  ↓ 木立もあるが落葉しているためそこそこの眺望だ。暑さのせいかモヤがかっているが金洞山が茨尾根を挟み圧巻だ。タカモドシの岩壁、東岳、中之岳、西岳、星穴岳と素晴らしい。嵌ってしまいそうな山塊だ。奥には荒船山の艫岩も遠望できる。

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P1030942.jpg 相馬岳から少し下降すると裏妙義国民宿舎への分岐着。ここを過ぎると踏み跡が解りにくいところもあり表土が流れて木の根が大きく露出している。稜線の右斜面をたどるが荒れてザレている箇所もあった。ただ、この辺りは紅葉が散見されて癒される。今年は雨が少ないせいか期待していた紅葉に程遠い。


 特に紅葉が好きという訳ではないが、この季節だけ見られる赤と黄色の組み合わせにあたしの心が踊るのだ。紅葉は今日の山行の楽しみだっただけに少し残念だ。

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茨尾根ピーク到着―11:00。
展望は360 度で茨尾根の向こうにタカモドシが迫ってくる。振り返れば相馬岳。モヤのためかはたまたスキルの問題なのかボケた画像ばかりだ。気持ちの良い解放感のあるピークのため大休止となる。ピークを下降するとやがて中間道への下降路を左に分け鎖場を過ぎ女坂の分岐に到着。

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P1030964.jpg 分岐を過ぎて暫く行くとこのコース最大の難関と言われているタカモドシとなる。といっても実際はいつのまにか登ってしまったという感じだ。鉄梯子、鎖、ロープなどがあったが登りのためか高度感も無くあっけなく通過。逆のコースを採れば下りになり高度感も感じたことと思う。それでも鎖場はスタンス、ホールドも乏しく垂壁になっていて結構面白かった。

 岩場を過ぎて少し登ると今度は下降となる。先程の登りと比べると少し難しいのかもしれない。鎖の輪が大きくて重いので壁にへばり付いている。これじゃ女性が時々墜落する訳だ。ロープで確保したり懸垂で下降しているパーティも見受けられる。土曜日のため順番待ちになっている。そのうち、お先にどうぞとなり下降したが確保用のロープが垂れ下がっていて気を使う。太い鎖は身体の振れを防いでくれるが非力の女性には気の毒だ。

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  ↑ タカモドシの裏側。真ん中のルンゼ状のところを下降する。

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↑ 東岳、中之岳、西岳と続く。

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↑ 白雲山とタカモドシ。

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↑ 中之岳から見た西岳。

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↑ 中之岳から見た東岳。

P1030985.jpg タカモドシを下り東岳、中之岳を目指す。東岳を鎖で下降し中之岳の岩峰を登る。鎖はないがスタンス、ホールドが多く容易に中之岳山頂へ―13:00。

 西岳も近くに迫り圧巻だ。小休止の後、中之岳を下降する。長い鎖場を下降し中之岳と西岳のコルに到着。一服後、個人装備としてスリング、カラビナを持ち、koku さんは30㍍補助ロープを携帯する。ザックはコルにデポし西岳へ出発する。登山禁止のトラロープを潜り明瞭な踏み跡を辿る。山頂直下に二箇所岩場がありトラロープが垂れ下がっている。使う必要はなかったがルートを示しているという意味では安心感がある。

 山頂からの展望は本日一番の圧巻、絶景、コメント無しだ。星穴岳の景観には圧倒される。koku さんの説明では真ん中の白くザレたところから山頂に登り裏側に回り込み懸垂で星穴に降りるということだ。機会があれば是非行ってみたいものだ。

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 ↑ 西岳から見た星穴岳。

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  ↑ 西岳から見たタカモドシ。上部の下降ルートは右端のリッジ。

P1030998.jpg 西岳からの眺望を充分楽しんだ。コルから一時間弱で往復できる。名残惜しいが下山開始。30分ほどで中之岳神社に到着。無事下山感謝のお参りをして駐車場へ―14:30着。

 デポしておいた車で妙義神社へ向かう。途中、もみじの湯で汗を流し帰宅の途についた。

 妙義山は今年登りたい山の一つだったので大満足です。西岳まで足を伸ばせたのは koku さんのお陰です。ご同行ありがとうございました。

 この表妙義縦走コースは要所要所に鎖が付いていて楽しめるコースです。女性でもクライミング経験者ならそれほど腕力は必要ないはずです。ただ、冒険を求めて気軽に入れるコースではありませんし、出来れば単独は避けたいものです。
どこで滑落したか解らないまま行方不明なぁーんて最悪です。登山は自己責任といっても迷惑を掛けることは可能な限り避けるべきですからね。

 それと西穂~奥穂と難易度を比較するのも無意味でしょう。難易度は個人の体調、自然条件等で大きく変わります。今日は体調も良く、パートナーも最高でした。秋も深まる妙義山・・・楽しい一日でした。

―追記―
この山行記録はあくまでも私の主観に基づかれて書かれたものです。客観的にみればもっと危険な感じがしますので追記しておきます。鎖は要所、要所に付いていますが使い方を誤れば非常に危険です。実際に、鎖を持ちきれずに手を離してしまい墜落するケースも多々あるようです。ハイキングコースに掛かっている鎖とは全く意味が違う箇所もあります。鎖は補助的なホールドでなく、鎖に全体重をあずけないと登下降出来ない箇所もありますが、鎖が長いのであまり腕力に頼り過ぎると途中で腕が麻痺し危険です。各個人のレベルにもよりますが一般的には非常に危険なコースと認識することが肝要かと思います。また、西岳にいたっては複数且つクライミング経験者以外は絶対に立ちいるべきではないでしょう。



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山子路爺

こんにちは。
国道から見ても、高速から見ても岩がゴツゴツ、ニョキニョキ。
通るたびに一度行かなくちゃと思いながら果たしていない山です。

by 山子路爺 (2009-11-12 10:17) 

Aaa

クライミングで鍛えているとはいえ、妙義の岩は扱いにくいものがあり、危険です。複数での山行が間違いないですね。

Aaaも、そこを岩に慣れない家内と補助ロープを使って歩きましたょ^^;;

最近ですが、Aaaの知り合いの方からの報告で、付近から2年も前に不明の方が発見されたとありました。そんなところですね。

表妙義を縦走、おめでとうございました。

by Aaa (2009-11-12 12:35) 

官兵衛

―山子路爺さん―
妙義はやはり秋でしょうね。紅葉は裏妙義のほうが良いとのことです。
国民宿舎を基点にして平日お天気の良い日にブラブラと歩くのも味わい深いものでしょう。来年、まだ元気なら決行したいものです。
by 官兵衛 (2009-11-12 14:15) 

官兵衛

―Aaaさん―
妙義の岩質は藤坂RGに似ています。ただ、全体に湿っぽく場所によってはうっすらと土が被っています。また鎖場では靴による摩耗のため岩の角が取れて丸くなっています。靴底に泥が付いていると危険です。
まぁー、5.11を登る Aaa さんにはもの足らないでしょう。来週の藤坂、思案中で~~す。
by 官兵衛 (2009-11-12 14:34) 

じゅんじゅん

山行記録楽しく拝見しました。
私も同じコース(但し、西岳を除く)を縦走したことがあります。
非力な女性でしたが、集中力とバランスを駆使してなんとか歩き切りました。とても面白いコースですね。
西岳往復のオマケ付きはお得でしたね。
紅葉の時期の妙義いいですね。
裏妙義も行ってみたいです。
kokuさんは妙義の達人ですか。
素晴らしい天気と同行者に恵まれましたね。
お疲れ様でした。
by じゅんじゅん (2009-11-12 17:22) 

官兵衛

―じゅんじゅんさん―
じゅんじゅんさんのような卓越した女流クライマーなら腕力は必要ないのでしょうね。西岳は確かにオマケでしたが一番良かった。次は星穴岳ですね。
妙義の達人koku さんは相馬岳北稜を偵察していました。
また藤坂で御一緒させてください。
by 官兵衛 (2009-11-12 20:53) 

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