SSブログ

傘寿も過ぎ気力・体力不足に悩む日々。旅もスキーも年貢の納め時かも。まだ少し残っている知力・気力・体力を使い何をしょうか?

富士山 2008-11-23 (日) 晴れ [山行記録2008年]


P1090076.jpg 富士山・・・二度と登ることはないと思っていたのだが、昨年、11月の赤岳から見た富士山が忘れられず急遽、登ることにした。
山登りというのは突然あの山に登ろうと思い立つものではない。実はず~ぅと以前から自分の頭の中にその山容や登っている自分を含めた情景がインプットされているはずなのだ。

 心の中に長い間抱いていた夢や憧れの実現が登山という行為になるが、山登り自体は登りたいと思った時から既に始まっているともいえる。

P1090090.jpg あたしにとって雪の無い富士山は考えられないのでこの時期になっただけのことである。しかも、スカイラインは11月25日で閉鎖されるようだ。五合目まで車で入れなくなる。一合目から登るとなると五合目辺りでテントかツェルト泊になる。ということで、冬型が緩み好天予想の三連休の中日であるこの23日になってしまった。早朝3時過ぎ起床、寝た感じがしない。

 テルモスに熱いコーヒーを詰めたりして4時前に自宅を出発。寝不足のせいか胃腸の調子がすこぶる悪い。

 コンビニでサンドイッチ、あんパン、ジャムぱん、チョコなどを買い込み圏央道、中央自動車道経由、東富士五湖道路須走 I Cで降りる。富士スカイラインに入り水ヶ塚公園で休憩。ここは富士山の絶好のビューポイントになるのだが今はまだ真っ暗。何となく富士の輪郭が見える。車が数台止まっていて夜明けを待っている。眠たかったが出発。富士宮口新五合目駐車場到着―6:50。
車は10台ほど止まっていたが登山口に一番近い場所に駐車できた。登山の準備をしているパーティもいたが大半はもう登っているようだ。登山開始が―7:20。

 登山ルートは4つある。今日登る富士宮口ルートは風が強いが雪は少なくて距離標高差が少ない。といっても山頂との標高差は1376m、山頂往復約8時間(時間は夏道での参考時間)。
御殿場口ルートも雪は少ないが標高差はナント・ナント2337m、山頂往復約11時間。
須走口ルートは標高差1776m、山頂往復約9時間。
河口湖ルート(吉田口ルート)は標高差1470m、山頂往復約9時間半。 但し、一番雪が多く吉田大沢や燕沢ではこの時期山岳会等の雪上訓練が行われているはずだ。五月にはスキーヤーがどっと押し寄せますが・・・。

 本当は雪が多いため河口湖ルートから登りたかったのだが今回は登頂を目的としたため最短だが急登が続くこの富士宮口ルートにした。来年は吉田口ルートにしょう。

 吉田口ルートは過去三回登っている。いづれも11月と12月だ。確か最初は山岳会の新人の時で昭和38年だったと記憶している。この時は吉田大沢、燕沢での滑落事故が多かった。

 青氷と強風のため九合目辺りで敗退。数年後、単独で登ったときも敗退、その翌年に初めて剣ケ峰まで登頂出来た。やはり単独だった。あたしにとって富士山は因縁の山かもしれない。

P1090107.jpgP1090084.jpg

 ↑ 七合目を超えると宝永山のえぐれた姿が俯瞰できる。この静岡側ルートからの展望は好みにもよるが今一つというところだ。周りに高い山がないせいかもしれない。伊豆半島や駿河湾も圧巻、絶景というほどではない。ただ、標高が高いせいか下界を見下ろしている感じがひとしおれ~~す。やはりロケーションとしてはご来光と雲海となる。

P1090111.jpg 八合目を過ぎた辺りから雪が出てきたのでアイゼンを装着する。この雪の状態では山頂までアイゼンなしでもいけそうだ。ただ、風が強いので時々ヨロッとなる。危険を感じるほどではないが年寄りはアイゼン付けたほうがエエ。吹き下ろしの冷たい風のため呼吸が苦しい。標高も影響している。久し振りにハーハーゼーゼーを味わった。途中、ザイルで繋がった4~5名のパーティが降りてきた。ガイド付きのツアー登山だろう。上のほうはもっと風が強いのかもしれない。

 ここから山頂までが一番ツラそうだ。もっと楽な山が近郊に沢山あるのにネェ・・・。

 あたしも老いてしまった。最近は近郊の低山も悪くはないと感じている。不安も危険もない、山容もなだらかだし、勿論連続した急登もない。しかし、刺激、緊張が少ない。山の好みは老いても変わらないようだ。これから先も程度差こそあれ岩山、雪山に出かけることだろう。

P1090118.jpgP1090125.jpg

↑ 左が万年雪山荘、右が胸突山荘(九合五勺)もうすぐ頂上だ。

P1090144.jpgP1090137.jpg
 ようやく頂上だ―13:20。約6時間掛かっている。計画より30分超過だ。富士宮口山頂ということで本当のテッペン、剣ケ峰3775.5mはここから10分ほど登ればエエ。時々、ガスで視界が閉ざされるが、風が弱くなった。馬の背を通り剣ケ峰へ。風で飛ばされるのか雪は少ない。

 アイゼンも良く効いて気持ちよく剣ケ峰到着―13:45。

P1090146.jpg

P1090177.jpg

 富士山測候所だ。昔、この上にレーダードームがあった。

P1090153.jpgP1090175.jpg

 左があたしです。完全な冬山の服装れす。この時期じゃごく普通れす。右のシト誰???。実はれすネ。剣ケ峰に着いたら若者がいて誰かが来るのを待っていたという。写真を撮って欲しいと言う。勿論、彼のデジカメです。別に断る理由もないので「OKですよ。」彼曰く、「準備があるので少し待って欲しい。」とのこと。まぁー、ヘッデンも持ってきたし後は降りるだけだしと思いのんびりとお鉢の写真を撮ったりしていた。そのうち彼はアイゼンを外し、靴を脱ぎ下駄に履き替えた・・・ヌヌヌ・・・。次に上も下も脱ぎ始めた。
オイ・オイ・オイ・・・・。 ン・・気が狂ったか???
ヌァント、ヌァント・・・最後には赤フンドシ一つ。ウッソー!。
ゲラゲラのアッハッハれ~~す。撮影した画像を年賀状に使うとのこと。
毎年やってるとのこと。

 いゃあ~~、これは感動した。この時期の富士山頂、勿論マイナスの世界。彼も相当気合いを入れていた。こちらは心臓麻痺でも起こしたら大変だと心配していた。名古屋の若者れーす。高速代を浮かすため一般道路を走ってきたとのこと。しかし、元気で清々しいエエ若者だったなぁー。あたしも何故か嬉しくなってしまった。今度、写す時は大きな日の丸の扇子を持ったらエエ。
(この画像はご本人の了解を得ています。顔を出しても良いとのことですが隠しておきます。)

P1090158.jpg

↑ お鉢です。今日はお鉢巡りをする時間がありましぇん。次回の楽しみに残して置きます。

P1090159.jpg  ← 山頂から俯瞰した景色。山の右に湖が見える。箱根と芦ノ湖か???。昔のプロペラ機の窓から見下ろしている光景のようだ。下山開始―14:10。
天気も崩れる気配がないのでマイペースでのんびり下ることにする。当然、先ほどの彼には先に行って貰った。途中でアイゼンを外していると元気のエエ若者が下ってきた。

 大阪の岸和田から来たとのこと。原付バイクだと。こりゃまたスゲー。びっくりれ~~す。明日中に着けばエエなぁ~んて言ってる。あたしも学校は岸和田だから話が弾んだ。

P1090181.jpg なかなかエエ若者だった。「荷物持ちましょうか?」にはオロロイタ。よほどあたしが疲れているように見えたのか? 
トホホで感激れ~~す。フント!
当然先に行って貰いましたがね。今日は二人の清々しい元気なエエ若者に出会えて嬉しかった。一期一会れしょうか。
・・・てなこと言ってる場合じゃないのだ。太陽が沈みだした。

 オイ・オイ ちょっと早すぎるよ。日没―4:40。
しかし、富士山のラインに夕日が沈む、実に荘厳だ。座り込んでず~~~と見ていた。これだけでも来た甲斐があったというものだ。

 アーア・・・5時でもう真っ暗だ。七合目過ぎたあたりだね。LEDのヘッドランプを初めて使った。青白くて明るいのだが起伏が良く解らない。平面的には良いのだが高さが見えない。あたしの目のせいかもしれないがこれは困った。絶対に転びたくないので足探りでゆっくり下った。一度、登山道を外れてしまいズルズルと下へ、また登りなおしたりしてロスタイム。意外と、この石ころだらけの夜道は手こずった。行動食としてサンドイッチ、チョコレートを少し食べただけ。空きっ腹に熱いコーヒーを飲んだためか胃がムカツキだした。

 六合目辺りで大休憩とする。風もなく、暖かい。空には星が一杯。下を見下ろすと御殿場や富士市の明かりが綺麗だ。百万ドルの夜景だね。六甲山、函館山、稲佐山の夜景といい勝負するね。全く物音がしない。静まりかえっている。ツェルト持参なのでこの辺りでビバークも良し、なぁーんて一瞬考えた。でも食べ物はあるが飲み物がない。諦めて一気に下る。駐車場着―6:00。

 無事に降りてこられて良かった。でも少し物足りない。雪が少ないのと風もたいしたことがなかったせいだ。来年は、やはり吉田口から登ってみょう。今日はのんびりと登ってのんびりと降りてきた。若い頃は休まずセッセと登った。山頂でもほんの小休止だけ。体力、脚力も今とは違う。懐かしいけれど、勿体ないことをしたものだ。本当の楽しみを知らなかったということだろう。

 最近は老いに伴い体力、脚力が衰えてきている。同行者がいないほうが相手に迷惑も掛けないし気儘な行動ができる。全て自分のペースと責任で行動したいというのが単独行を好む理由かもしれない。それでも単独行は自由の代償としてそれ相応な緊張感を強いられます。あたしにとっては心地よい緊張感かもしれません。たくさんの仲間と山にでかけるのは、それはそれで楽しいものです。でもたった一人で山を歩くということには特別の喜びを感じます。生命の危険を感じるほどの緊張感は異常だけれど、ある種の緊張感は尊いものです。また、その経験と自信は日常の生活にも大きく貢献しているはずです。

 久し振りの単独行で楽しい一日でした。帰路、中央自動車道が大渋滞。自宅に着いたのが11時近かった。
ハードな一日れした。チカレタベ~~~。



ポチットオネガイ

旅行・観光(全般) ブログランキングへ

nice!(2)  コメント(6) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 2

コメント 6

なかぴょん

やりましたねぇ~。私はこの日のんびり休養していました。前日の22日に丹沢山から富士山を眺めていましたが、登っているのかなぁ~と見守っていましたよ。アイゼンで直登ですか?、天気が良くて最高でしたね。写真を見ていたら、おらも行きたぁ~いとなっちゃうじゃないですか!
by なかぴょん (2008-11-30 06:18) 

マエちゃん

なかぴょんさんこんにちは。風が弱くて雪が少なかったので不完全燃焼ですね。もっとも耐風姿勢をとらなければならないような突風が吹いていたり、テカテカのアイスバーンだったら脱兎のごとく一目散に退散しますがね。
クワバラ、桑原れ~~す。
今週末、日光白根山に行ってみょうかと考えています。雪は相当多いようです。帰りの温泉が楽しみですが天候と体調次第ということになりそうです。
by マエちゃん (2008-12-01 15:02) 

大阪より原付にて

どうも、あの時お世話になりました若僧です。前日からの徹夜旅のこともありあの日は正直ボロボロでした。
頭の中にある計画は 「走る 登る 降りる 帰る」 の単純なものだったのでいやはこれが若さか・・・とかなんとか
本当は疲労とバス運行停止とで帰ろうかとも考えていました。それで最後に富士山だけでも写真に収めて帰ろうと思い少しばかり原付で上までいってみると
なんとも偉大な富士山がそびえていました、たった少し見ただけで私の心はイチコロですよ、上ることに何のためらいもなくなりました

いつになるかは分かりませんが機会があればまたチャレンジしに行きます、御縁があればまたお会いいたしましょ~
余談:赤褌さんすげぇ!
by 大阪より原付にて (2008-12-08 06:09) 

マエちゃん

原付のお兄さん、コメントありがとさんれす。それにしてもよくやるね。次回、この時期登るならもう少し装備を考えた方がエエと思います。天候が急変したらとってもオトロシイヨ。仕事も頑張ってください。この行動力をお持ちなら、きっと大成すること間違いなし。
by マエちゃん (2008-12-08 10:38) 

近鉄(こんてつ)こと近藤鉄也です。

お返事遅くなりました。
その節はお世話になりました。
名古屋の山頂マッパーです(笑)
よかったら写真=画像を送り合いましょう♪♪
by 近鉄(こんてつ)こと近藤鉄也です。 (2009-01-14 00:21) 

マエちゃん

こんてつさん、どえりぁ~久しぶりだわぁ~。
お元気そうでなによりだがや。
下記アドレスに画像送ってちょぉ~~。

s6a2nkyu@yahoo.co.jp

受信したらあたしのほうからも送るなも。
by マエちゃん (2009-01-14 21:33) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。