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傘寿も過ぎ気力・体力不足に悩む日々。旅もスキーも年貢の納め時かも。まだ少し残っている知力・気力・体力を使い何をしょうか?

日光白根山 2012-12-18 (火 ) 曇り時々小雪 [山行記録2012年]


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 今年も残り少なくなった。大した山も登らないうちに一年が終わってしまうと思うと、居ても立ってもいられなくなった。この時期、少し手ごたえのある山で近いとなると・・・。色々とあるが、冬にも、幾度か登ったことのある日光白根山となる。独りで入山するため荷物が多くなるのは致し方が無い。ツェルト、燃料、食料・・・勇ましいもので一日、二日のビバーク覚悟と決意した。朝、四時に出発と考えていたが、久し振りの冬山のため準備に手間取り五時になった。

 沼田で関越高速を出て金精峠を目指す。丸沼のスキー場辺りから真っ白な圧雪道路となる。車は新車だしタイヤもブリヂストンのブリザック。何の不安も無く走れるのは嬉しい。菅沼茶屋に着いたが雪が多くて、とても駐車場には入れない。閉鎖された茶屋の道路脇に少し整地された場所があったので、止むを得ず駐車させて貰う。出発ー8:30。

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 トレースはしっかりと付いているが、雪が被っていて足跡は付いてない。昨日、今日と、誰も通ってないようだが、踏み固められているので歩き易い。沢筋を離れて傾斜が強くなったところでアイゼン装着。雪が多くなり滑りやすい。

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 樹林帯は雪が多い。赤テープが埋まりそう。吹き溜まりや崩れた雪で、時々、トレースを見失い時間をロスする。小雪が舞うが風もなく暖かい。音が全く聞こえない。風が無い日の雪山特有の世界が展開している。


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 谷筋がせり上がってきたあたりからトレースが消えた。弥陀ヶ池は近いはず。ラッセルは膝程度なので問題なし。やがて雪原が見えてきた。
弥陀ヶ池到着-11:00。

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 辺りは静寂な無音の世界。ここまでは至極順調に来た。一服後、次の行動を画策する。ワカンは車に置いて来た。軟弱な精神だからワカンが必要なら引き返す予定で出発した。

 昨夜は一日、二日のビバーク覚悟と思っていたが変わり身が早すぎる。一昨年はワカンなしで独りでラッセルし登頂したものだが、今日はそんな元気は無い。先に進んだと仮定して、弥陀ヶ池のラッセルは膝程度で問題ないが、本峰の山腹から尾根筋のラッセルは腰以上はありそうだ。ルンゼの取り付きまで二時間以上掛かりそうだ。ルンゼは雪が締まっているとしても、この雪の状態では表層雪崩も怖い。ルンゼと岩陵で約一時間、計三時間から四時間が必要。夏期ならここから一時間もあれば山頂なのだが・・・。下山にも二時間以上は必要となると、到底、明るいうちに車まで戻れそうにない。ここでフッと温泉が頭をよぎる。こうなれば、何の躊躇も無くここから戻ると決定。

 雪を固めて三脚代わりにし、セルフタイマーで自分の記念写真を撮った。本邦初公開かもしれない。どこかの山で出会ったら声をかけて頂ければ嬉しいです。時間があるので近辺を散策したり、仰向けに雪の中に倒れたり、独りでの雪遊びは楽しいものだね。これだから独りの雪山は止められない・・・。

過去の日光白根山 ↓
http://yamanoroujin.blog.so-net.ne.jp/2010-12-16
http://yamanoroujin.blog.so-net.ne.jp/2009-12-13

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 下山となれば気楽なものだ。トレースは残っているし、小雪も止み風もない。歩いていると寒さも感じない。雪が段差を隠しているので夏道より歩き易いかもしれない。時々、ズボッと膝まで落ち込むのを警戒するだけ。こんな所で捻挫でもしたら面倒なことになる。この界隈は携帯が通じないので困る。ツエルトでビバークが現実のものになってしまう。桑原・クワバラ・・・。

 道路も数日後に閉鎖されるし、来年四月までこのルートは誰も入らない。考えてみるとオッソロシイです。それにしても下りは楽だ。一時間半も掛からない。体力、気力は充分残っている。敗因はワカンを車に置いて出発したことだが、それ以前に出発時間が遅すぎる。まぁ~、出発時に、この結果は想像していたので想定内となる。雪道のドライブを楽しみ白根温泉へ・・・

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DSC_3393.jpg 無事に帰れて感謝・感謝。独りの雪山は楽しいが、それなりにリスクもある。ここは慣れた山塊だが侮れない。途中で引き返したが、久し振りに緊張感を味わえ楽しかった。

 独りでの雪山・・・人にはお奨めできないが、あたしには大きな喜びを与えてくれる。日頃、軟弱な生活を送っているあたしにとっては、独りでの雪山は最高に貴い行為だ。自分の強さも弱さもハッキリと分かるし、自分で自分を誤魔化せないのが気に入っている。今日は臆病な自分を感じた。吹雪いてもいないし、体調も悪くないのに途中で引き返した。山では臆病なほうが良い。次の糧になればそれで良い。



 独りでの冬山は自分と語れる楽しさも与えてくれる。山の中を歩きながら複雑な思索は出来ないし、しょうとも思わない。ただ、日頃考えていることを検証することはある。最近、何かにつけ謙虚さが欠けている自分に気が付く時があった。それを検証し、是正したいがための今回の山行かもしれない。あたしの場合、冬山や岩山に入ると自然に謙虚になり思慮深くなる。この状態を日頃の生活に反映し、持続させるために時々厳しい山登りを求めるのかもしれない。

 最近、満足できた山登りはやってない。来年は是非やりたいものだ。対象は夏の剣岳の雪渓・・・だが、老化による体力、気力の衰えも考慮せねばならない。まぁ~、健康ありきでの夢だネェ~。こんな老人に誰か付き合ってくれる人いないかなぁ~。


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山子路爺

無事で何より
温泉もまた楽し
イヤァ~素晴らしい!

by 山子路爺 (2013-01-07 10:33) 

官兵衛

年齢とともに温泉の比率が高まります。
歩き疲れた跡の温泉。。。最高。。。


by 官兵衛 (2013-01-08 09:41) 

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